CGM性能評価プロジェクトへのご支援ありがとうございました【目標金額達成】

皆様のあたたかいご支援のおかげでプロジェクト目標金額1,000,000円を達成することができました!
ありがとうございました。

 
< 研究者からのお礼メッセージ >
このたびは「CGM 性能評価プロジェクト」に多くの方々からご支援をいただき、まことにありがとうございました。
おかげさまでプロジェクト目標金額 1,000,000 円を達成することができ、現在、得られたデータを分析して学会および論文で発表する準備に注力しているところです。
これからも、患者さんのための臨床研究を行ってまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

研究代表者
独立行政法人国立病院機構京都医療センター
臨床栄養科・糖尿病センター
村田 敬

 

医療機器の中立的な性能評価はとても重要です。本研究では持続血糖測定器(CGM)の1つであるFreeStyleリブレの最新型(第3世代ソフト搭載)の性能評価を行い、患者さんに信頼できる情報を提供すると同時に、必要に応じてメーカーにさらなる品質向上を働きかけます。

目標金額

 

目標金額 最終の金額
100万円 1,004,500円

(2022年11月30日現在)

助成金額

2022年11月21日 500,000円
2022年6月27日 500,000円

研究の背景-中立的な性能評価の重要性-

持続血糖測定器(CGM)やインスリンポンプ(画像1)といった医療機器の進歩に伴い、実際に使っている糖尿病患者さんが日本国内でも増えてきました。ただし私たちがこれまでに実施した研究から、必ずしもメーカーのカタログに記載された正確さが再現できないときがあることがわかっています。

画像1 CGMのセンサー、読み取り機、インスリンポンプの一例

たとえば透析中の2型糖尿病の患者さんがCGMの一機種であるFreeStyleリブレ(第1世代のソフトを搭載した機器、画像3)を使った場合、正確さの目安であるMARD値(Mean Absolute Relative Differenceの略、低いほど正確)が23.4%と、メーカーが公称する11.4%よりもだいぶ高いことが判明しました※1

また、AMED※2と日本IDDMネットワークからの支援により実施された「低血糖激減プロジェクト」(ISCHIA研究)では、1型糖尿病の患者さんがFreeStyleリブレを使った場合、MARD値が15.6%と、こちらもメーカーの公称値より高い数値でした。

もちろんメーカーが独自に実施した医療機器の評価もきちんと実施されたものであることに違いはないのですが、このようにメーカーから独立した立場で中立的に行った性能評価を行うと、違う結果が得られることもあります。

すでに家電製品や自動車については、メーカーから独立した民間企業や公的機関による性能評価が行われてきていますが、医療機器の場合、そのような取り組みはまだまだ不足しています。とくに糖尿病の分野では、患者さんが日常生活の中で使う医療機器が多いので、実際の使用条件での性能を患者さんに近い目線で評価することがとても重要です。

このような中立的な医療機器の評価を行うことで、患者さんに信頼できる情報を提供できると同時に、メーカーが発表している公称値が再現できない場合は、メーカーと対話してさらなる製品の品質向上を働きかけることもできます。

画像2 低血糖激減プロジェクト

※1 AIDT2H研究:国立研究開発法人日本医療研究開発機構[AMED]の支援により実施
※2 AMED:国立研究開発法人日本医療研究開発機構

使用する機器について

FreeStyle リブレとは?

FreeStyleリブレは、500円玉くらいのセンサーを腕の皮膚に張り付けておおよその血糖値を測り、専用の読み取り機またはアプリを搭載したスマートフォンをかざして測定結果を表示する機器です。

画像3 腕につけるセンサー(左)と読み取り機(右)。アプリを入れたスマートフォンでも読み取ることができる。

第1世代と第3世代のちがい

第1世代と第3世代の違いは、読み取り機の中のソフトの違いです(センサーは第1世代、第3世代の間で共通です)。同じセンサーであっても、第1世代のソフトを使用する読み取り機と第3世代のソフトを使用する読み取り機では、読み取ったデータの正確さが異なります。

研究方法

12名の1型糖尿病患者さんを対象に、FreeStyleリブレ(第3世代)とFreeStyleリブレ(第1世代)を同時装着してもらい、センサーグルコース値および従来の指先から採血する血糖自己測定により測定した血糖値の情報を集めます。

得られたデータを分析することで、FreeStyleリブレ(第3世代)のセンサーグルコース値が従来の血糖自己測定により測定した血糖値とくらべてどのような偏りがあるか、また、第3世代と第1世代でどのような測定値の違いがあるかなど、FreeStyleリブレの性能を客観的に評価します。

研究者からのメッセージ

日本IDDMネットワークからは、2020年に「低血糖激減プロジェクト」(ISCHIA研究)の実施にあたり多額の助成を実施していただき、おかげさまで当プロジェクトは無事に完遂することができました。あらためて、皆様のご支援に心からのお礼を申し上げます。

低血糖激減プロジェクト」では、FreeStyleリブレを1日10回以上スキャン(読み取り機で測定結果を表示)すること、および画面に表示されたトレンド矢印を見て早めに低血糖を予防することで、低血糖になっている時間を確かに減らせることが立証されました。

この「低血糖激減プロジェクト」で得られたデータの副産物として、FreeStyleリブレ(第1世代)の正確さを表す指標であるMARD値(低いほど正確)がメーカーの公称値よりも高いことが明らかになりました。

この研究成果から、メーカーの公称値だけでなく、中立的な立場から医療機器の性能を評価して、実際に使っている患者さんに情報提供し、必要に応じてメーカーに品質向上を働きかけることが大切であると考えられました。

そこで最近、あらたに使用可能となったFreeStyleリブレ(第3世代)の性能を評価したいと考えています。

CGMの性能向上は、将来的にCGMを従来の血糖自己測定の代わりとして使っていく上でとても重要なことです。家電製品や自動車などについては、メーカーから独立した形で民間や公的機関による性能評価が行われていますけれども、医療機器についてはそのような仕組みが整っていないので、ぜひ、本研究をご支援くださいますよう、お願い申し上げます。

独立行政法人国立病院機構京都医療センター
臨床栄養科・糖尿病センター
村田 敬

研究グループ

村田 敬 国立病院機構京都医療センター臨床栄養科・糖尿病センター
坂根 直樹 国立病院機構京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室
廣田 勇士 神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門
豊田 雅夫 東海大学医学部腎内分泌代謝内科学
松久 宗英 徳島大学先端酵素学研究所糖尿病臨床・研究開発センター
黒田 暁生 徳島大学先端酵素学研究所糖尿病臨床・研究開発センター
伊藤 新 慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
目黒 周 慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
三浦 順之助 東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学分野
的場 ゆか 国立病院機構小倉医療センター糖尿病・内分泌代謝内科
加藤 研 国立病院機構大阪医療センター糖尿病内科
鈴木 渉太 奈良県立医科大学附属病院臨床研究センター

寄付金の使途

・FreeStyleリブレセンサー12名分 27万円
・データ分析 43万円
・論文出版費用 30万円

計100万

プロジェクト支援になるイベントを開催しました

参加費の半額が「CGM性能評価プロジェクト」への支援になるチャリティーイベントを開催しました。
2回合わせて約120人のお申込みをいただき、281,500円をCGM性能評価プロジェクトに寄付します。

症例対応セミナーバナー

医療者向け1型糖尿病の症例対応セミナー(開催終了)

  • 日程1 2022年8月27日(土)13:00~15:00【CGM&低血糖】
  • 日程2 2022年9月3日(土)13:00~15:00【CSII&移行期医療】
  • 対 象 医療従事者
  • 参加費 会員4,000円/非会員5,000円

医療者向け1型糖尿病の症例対応セミナー 詳細へ

お問い合わせ先

認定NPO法人日本IDDMネットワーク
〒840-0854 佐賀県佐賀市八戸二丁目1番27-2号
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