日本IDDMネットワークでは、毎日のインスリン補充が欠かせない患者とその家族一人ひとりが希望をもって生きられる社会の実現を目指し、以下の政策要望を行っています。
成人の患者支援実現について
現状
要望内容
成人の1型糖尿病患者に対し、全国一律の医療費助成制度を創設
進捗状況と今後の対応
厚生労働省の説明によれば、指定難病、更生医療ともに1型糖尿病を対象にするのは困難とであるとのこと。
よって、制度の名称や仕組みについては問わず、具体的な手法は国にお任せし、成人1型糖尿病患者が置かれている現在の制度の空白を解消し、生涯にわたり必要な治療を経済的理由によって断念することのないよう要望していく。
・要望先:上野賢一郎厚生労働大臣
・要望書:成人の1型糖尿病患者への医療費助成についての要望
・提出日(最新):2026年6月29日
20歳未満の患者とその家族の支援について
医療的ケア児及びその家族に対する支援について<新規>
現状
「1型糖尿病」もこの医療的ケアの対象疾患として位置付けられており、学校、保育所及び認定こども園等における患児のインスリン補充療法に関わる血糖測定及び注射又はポンプによるインスリン投与への看護職員による支援体制が整備されつつある。
一方で、当該法の施行から約5年が経過しようとしているが、全国的には実施状況にまだ大きなばらつきがあり、日本IDDMネットワークにもこの制度が適切に実施されていないとの声も届いている。
要望内容
- 「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の施行後における全国の自治体、教育委員会及び関係機関の実施状況について調査を行い、その実態と課題の把握を。
- 調査結果を踏まえ、自治体間で生じている支援格差や課題を整理し、その解消に向けた具体的な改善策の検討、実施を。
- 学校、保育所及び認定こども園等における医療的ケア児支援に関するガイドライン等の整備状況を把握するとともに、関係省庁と連携し、標準的なひな形の提示や技術的助言等を通じて、その整備促進を。
- 学校、保育所、認定こども園等を含め、医療的ケア児が居住地域にかかわらず必要な支援を受けられるよう、関係省庁が連携し全国的な支援体制の標準化推進を。
・要望先:松本洋平文部科学大臣
・要望書:医療的ケア児及びその家族に対する支援についての要望
・提出日(最新):2026年6月29日
・要望先:黄川田仁志内閣府特命担当大臣(こども政策)
・要望書:医療的ケア児及びその家族に対する支援についての要望
・提出日(最新):2026年6月29日
医療に関する規制緩和について
現状
- インスリン補充の副作用である「重症低血糖」の対応について教育現場では、学校等の教職員等によるグルカゴン点鼻製剤(バクスミー®)の投与が緊急やむを得ない措置として実施可能となったが、救急救命士による投与は認められていない。
※詳細はこちら(https://japan-iddm.net/news/info/31072/)をご覧ください。 - 医療機器や医薬品関連企業から患者・家族への直接的な情報提供が厳しく制限されている。
要望内容
- 救急救命士の重症低血糖対応
救急救命士が救急現場で、重症低血糖発作症例に対する点鼻粉末グルカゴンを投与することについて、医師法違反等の違法性が問われることのないよう、速やかに必要な法令改正、通知発出、研修体制整備等の対応を。 - 製薬企業・医療機器関連企業からの患者・家族に向けた情報提供
患者・家族が安全使用、適正使用、治療選択及び供給不安への対応に必要な情報を、企業から適切に得られるよう、特に、広告の該当性3要件のうち、企業が判断に迷いやすい点について、関連通知、事務連絡、Q&A、ガイドライン等により明確化を。
進捗状況と今後の対応
- 「重症低血糖」についての教育現場と救命現場での対処
2020年10月 点鼻薬(粉末剤)のグルカゴン製剤(バクスミー®)が発売され、従来の注射薬に比べて格段に使用が容易になった。これに伴い、2020年度から要望を開始。 2024年1月 2024年1月25日付の文部科学省および子ども家庭庁から都道府県などへの事務連絡(【事務連絡】学校等における重症の低血糖発作時のグルカゴン点鼻粉末剤(バクスミー®)投与について.pdf)により、教職員等による本点鼻薬の使用が可能であることが示された。
一方で、救急救命士による使用は認められていないのでその点について要望を継続。2025年5月 2025年5月28日付の「規制改革推進に関する答申」で救急救命士による救命現場でのバクスミー®の使用が規制改革の検討対象として明記された。
低血糖発作症例に対するグルカゴン粉末製剤の点鼻投与について、期限を設けた上で新たな救急救命処置の候補とするかの検討を行い、結論を得た上で速やかに必要な法令上の措置を講ずることとされている。2026年3月 救急救命処置の在り方に関する検討会が設置される。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71011.html
その中の資料に「救急救命処置検討委員会」で検討し、結果を報告の上、結論を得る(令和8年度報告予定)と記載される。
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001670185.pdf本件の実現に向けて引き続き要望していく。
- 製薬企業・医療機器関連企業からの患者・家族に向けた情報提供
2024年2月に要望書を提出し、その後、同年3月18日の佐藤大作厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長(当時)による業界団体への講演「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン―Q&Aその4について―」の中で、「広告の該当性に関し、医薬品等の適正使用推進や安定供給に係る情報の提供等、顧客を誘引する意図がない情報について自社製品と他社製品との比較の上で提供することは、広告には該当せず、これを行うことは差し支えない」と明確に示された。
しかしながら、企業側の萎縮が依然として続いている。厚生労働省は課題として認識され対応中であり、引き続き要望していく。
・要望先:上野賢一郎厚生労働大臣
・要望書:救急救命士の重症低血糖対応についての要望
・提出日(最新):2026年6月29日
・要望先:上野賢一郎厚生労働大臣
・要望書:製薬企業・医療機器関連企業からの患者・家族に向けた情報提供についての要望―患者・家族が必要な情報を適切に得られる環境整備に向けて―
・提出日(最新):2026年6月29日
介護職員によるインスリン療法の実施について
現状
要望内容
インスリン注射、穿刺を伴う血糖測定、低血糖時の対応などについて、ICTや医療機器の進歩、医師等による指示・確認体制、研修を前提とした段階的な実施可能性等を踏まえ、一定の安全確保策の下で介護職員が支援できる範囲の明確化を。
本検討にあたっては、インスリン補充を必要とする当事者、介護事業者、医療関係者、関係学会、患者団体等の意見を聴取し、安全性と実効性の両立を図った制度設計を。
進捗状況と今後の対応
| 2021年12月 | (公社)全国有料老人ホーム協会が2021年6月から8月にかけて行った全国の「有料老人ホーム」設置者へのアンケートによると、インスリン自己注射の困難な入居者に対しては退去を求め、インスリン自己注射の困難な入居希望者に対して入居を断ると回答した施設は全体の22%に上っている。その理由としては「看護師不在」、「ホームでは医療行為を行わない」などが挙げられている。 この結果を踏まえ、2021年12月に要望書を提出(以後、毎年要望)。 |
|---|---|
| 2024年6月 | 2024年6月21日に閣議決定された「規制改革実施計画」において、介護職員による医療行為について「一定の要件の下、介護職員が実施可能と考えられる行為の明確化についてその可否を含めて検討し、結論を得る。その上で、厚生労働省は、介護職員が実施可能とする行為があるとの結論を得た場合には、一定の要件の下、介護職員が実施可能とする行為の実現のために必要な法令、研修体系等について検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる。」とされた。 |
進展がないので、引き続き要望していく。
・要望先:上野賢一郎厚生労働大臣
・要望書:介護施設などでの介護職員によるインスリン療法の実施についての要望
・提出日(最新):2026年6月29日
糖尿病の障害年金「障害等級2級」認定基準について
現状
そのため残る選択肢は障害基礎年金の2級であるが、該当する患者・家族はその申請の検討にあたり、自らの療養状況や日常生活上の制限がどのように評価されるのか分かりにくい状況が続いている。
1型糖尿病患者が障害基礎年金2級の申請を検討し医療機関に相談したところ、「2級には該当しにくいのではないか」「初診日の証明や診断書等の書類を集めるだけでも費用がかかる」といった説明を受け、申請をためらう事例もある。
要望内容
- 糖尿病の障害年金「障害等級2級」の判断に関する考え方を、患者・医療機関・行政実務者に分かりやすく示すこと。
- 令和6年11月8日付事務連絡の趣旨を、医療機関及び年金実務担当者等へ周知すること
- 患者・家族が申請を検討する際に参照できる分かりやすい資料を作成・公表すること
- 1型糖尿病における日常生活上の制限が、診断書及び医師照会において、各患者の実態に応じて幅広く把握されるようにすること
- 令和6年11月8日付事務連絡発出後の認定実務の状況を検証し、必要な改善を行うこと
進捗状況と今後の対応
厚生労働省は事務連絡を発出し運用改善に努められているが、患者が申請を検討する現場では、まだ判断材料や共通理解が不足しているので、引き続き要望していく。
・要望先:上野賢一郎厚生労働大臣
・要望書:糖尿病の障害年金「障害等級2級」認定に関する運用改善及び認定基準の明確化についての要望
・提出日(最新):2026年6月29日
お問い合わせ先
〒840-0854 佐賀県佐賀市八戸二丁目1番27-2号
認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク
TEL:0952-20-2062 FAX:050-3385-8940
E-mail info@japan-iddm.net
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