SGLT2阻害薬を使用するときの注意点

1型糖尿病の患者さんは、インスリン療法が必須です!!

血糖コントロールが悪い場合はまずインスリンで十分管理してください。
SGLT2阻害薬を、血糖コントロールが悪い、肥満がある、という理由で安易に使わないようにしましょう。

SGLT2阻害薬とは?

SGLT2阻害薬とは、腎臓に作用し、血液中の過剰な糖を尿として排出し、血糖値を下げる薬です。

詳細は以下のWEBページをご覧ください。

知りたい!糖尿病 – SGLT2阻害薬とは?特徴・種類・注意点
日経メディカル処方薬事典 – SGLT2阻害薬

血糖値を下げる以外にも血圧改善や腎機能保護などの良い点が報告されていますが、1型糖尿病患者の場合は低血糖やケトアシドーシスのリスクを増強させるため、注意が必要です。

また、糖が排出されるときにより多くの水分が尿として排出されるため、水分をしっかりととって脱水に気をつけましょう。

薬の作用や副作用、インスリンの量など、使用の際には医師と十分に相談をしてください。

SGLT2阻害薬を使用する場合の注意点

 

  1. 脱水になり脳梗塞を起こすこともあるので、水分を十分にとること。
  2. SGLT2阻害薬を飲む前に、主治医と相談して基礎インスリンを10-20%減量する。
  3. SGLT2阻害薬を飲んでからは、主治医と相談の上で追加インスリンも10-20%減量する。
  4. 低血糖があれば更にインスリンを減量する。
    50%以下に減量してはいけません。50%以下に減量が必要なら食生活の見直しやSGLT2阻害薬の使用中止を考慮する必要があります。
  5. 低血糖があっても基礎インスリンは必ず継続する。
  6. SGLT2阻害薬を使い続けると効果は日々増強するので、インスリン増量をするときは慎重に行う。
  7. シックディでは、SGLT2阻害薬の内服を中止する。
  8. 体調不良、全身倦怠吐き気、嘔吐、腹痛などがあれば、血糖値に関わらずケトアシドーシスを疑うこと。
    ※ 可能であれば血中ケトン濃度を測定しましょう(尿ケトンでも良いですが、血中ケトンに比べて感度が低いことに注意が必要です。)
    ケトアシドーシスの疑いがあれば水分をたっぷり飲んで30-50g程度の糖分を摂取し、3-5単位の超速効インスリンを追加投与します。
    ※ それでも改善が無ければ、至急医療機関へご連絡ください。

正常血糖値でのケトアシドーシスに気を付けましょう!

ケトアシドーシスとは、インスリンが不足することで細胞が飢餓状態になり、エネルギー源として脂肪やタンパク質を分解することで発生したケトン体により血液が酸性になった状態のことです。悪化すると、呼吸困難や意識障害を起こすこともあります。

一般的に、1型糖尿病患者が糖尿病性ケトアシドーシスになるのは高血糖のときであるため早く気づくことが出来ますが、SGLT2阻害薬を飲んでいるとケトン体が発生しやすく、また血糖値が上がらないので、気づくことが遅れてしまう可能性があります

※CSII(インスリンポンプ)療法中の患者さんは、注入回路のトラブルに気づくのが遅れてケトアシドーシスになる危険性が高いので特に注意が必要です。

SGLT2阻害薬を使用されている方は、使用表示のカードを常に持ち歩きましょう。

監修:川村智行大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学講師