新たな研究支援の形として、「バイオ人工膵島移植」を牽引する医療系ベンチャー企業 「株式会社ポル・メド・テック」に4000万円を出資しました

2022年03月18日

2022年3月18日(金)、2025年の1型糖尿病根治に最も近い「バイオ人工膵島移植」の加速に向け、同研究の臨床応用を目指す株式会社ポル・メド・テック(代表取締役 長嶋比呂志・三輪玄二郎、所在地 神奈川県川崎市/以下、PMT社)に4000万円を出資しました。

日本IDDMネットワークはこれまでも多くの1型糖尿病根絶(=治療+根治+予防)に向けた先端的研究への助成を行ってまいりましたが、出資による研究支援は、初の試みです。

2004年に国内初の「膵島移植」が成功したことで「1型糖尿病」根治の道筋が見えてきた(写真中央が、現PMT社・松本慎一取締役)

PMT社は、ブタの発生工学の世界的権威(長嶋比呂志代表取締役)や、日本初の膵島移植医(松本慎一取締役)ら、研究者・医療者が自ら立ち上げた明治大学発のベンチャー企業です。今回の出資により、医療者、研究者、企業、NPOが協働で最先端医療の実現に取り組むこととなり、これは日本では他に例のない挑戦となります。

なお今回は、日本IDDMネットワークが2021年10月に創設した「バイオ人工膵島移植ジャパンプロトコール2025基金」を原資とし、「新株予約権付転換社債」の引受という形で出資を行います。PMT社の事業が順調に進捗した場合は出資を回収し、さらに様々な1型糖尿病根絶に向けた研究への出資・助成へと繋げ、研究資金の循環を創り出すことが期待できます。
 

◆日本IDDMネットワーク理事長 井上龍夫(1型糖尿病患者の父)のコメント

“私たち1型糖尿病患者・家族の「夢」はこの疾患の「根治」(発症前の体に戻ること)です。現時点でそこに最も近い治療法候補が「バイオ人工膵島移植」です。PMT社という「民間企業」と私たち患者・家族支援団体(NPO)とのこのような強固な連携は、この「バイオ人工膵島移植」の真の実用化に向けた大きな第一歩になると信じています。そしてその先の「夢の実現」までが明確に視野に入ってきたことを実感しています。”
 

【1型糖尿病に「バイオ人工膵島移植」が期待される理由】

◇バイオ人工膵島移植プロジェクト
https://japan-iddm.net/cutting-edge-medical-technology/bio-artificial-islets/

1型糖尿病の治療法は一般的に「インスリンを一生投与し続ける」という方法と、「膵臓移植」や「膵島移植」という「インスリンを分泌する臓器や細胞の移植」の2つがありますが、前者では根治にはつながりません。また、根治が期待できそうな「膵島移植」も、次のような課題があります。

•国内での「ドナー(臓器提供者)」の圧倒的な不足
•拒絶反応を抑えるための「免疫抑制剤」を生涯に渡り服用することが必要。副作用も少なからずある

これらの課題をクリアできる治療法として注目されているのが、ブタの膵島を移植する異種移植「バイオ人工膵島移植」です。無菌室で育てられた医療用ブタの膵島を特殊なカプセルで包み、患者に移植する治療方法です。
※CPC(細胞加工施設):細胞加工ができる高水準のクリーンルーム

▼関連URL
◇バイオ人工膵島移植ジャパンプロトコール2025基金
https://japan-iddm.net/japanprotocol2025/
◇株式会社ポル・メド・テック
https://pormedtec.com