“⽇帰りで受けられる膵島移植治療”を⽬指す「バイオ⼈⼯膵島移植」の研究2件に対し、佐賀県庁への“日本IDDMネットワーク指定”ふるさと納税による研究助成金(2,350万円)の贈呈式を実施しました。

2023年02月01日

2023年2月1日(水)、佐賀県庁への日本IDDMネットワーク指定ふるさと納税によるご寄付を財源とし、“日帰りで受けられる膵島移植治療”を目指す「バイオ人工膵島移植」の研究2件に対し2,350万円の贈呈を行いました。
 国立国際医療研究センターからは、國土典宏理事長、霜田雅之膵島移植企業連携プロジェクト長が、神戸大学からは眞庭謙昌病院長、浅利貞毅特命教授にご出席いただき、日本IDDMネットワークからは理事長の井上龍夫が出席いたしました。

左上から国立国際医療研究センター 膵島移植企業連携プロジェクト長 霜田雅之 日本IDDMネットワーク 理事長 井上龍夫 神戸大学大学院医学研究科 外科学講座 国際がん医療・研究推進学分野 特命教授 浅利貞毅
国立国際医療研究センター研究所 國土典宏理事長 神戸大学大学院医学研究科 外科学講座 教授 福本巧 神戸大学医学部附属病院長 眞庭謙昌

■国立国際医療研究センター國土典宏理事長からの御礼の言葉
 この度は当センターの霜田を代表とする「バイオ人工膵島移植」に関する研究への助成金にご採択いただきありがとうございました。
 日本IDDMネットワーク理事長井上龍夫様、また財源となります佐賀県庁への日本IDDMネットワーク指定「ふるさと納税」を通じてご寄付を賜りました多くの皆様に厚く御礼申し上げます。
 今後の研究の中でバイオ人工膵島を製造し、要求される機能を持っているか、また動物に移植した際に効果があるかなどを調べ、文書化する必要があります。この重要なプロセスに対し、本助成金のサポートを有効に使わせていただきたいと思います。また今回の研究は神戸大学の先生方とも協力して行うことになっています。
本研究を通じてバイオ人工膵島移植治療の実現に向けてさらに邁進していきたいと思っております。この度は誠にありがとうございました。

■国立国際医療研究センター研究所 霜田雅之膵島移植企業連携プロジェクト長からのお礼の言葉
 この度は我々のバイオ人工膵島移植に関する研究に対して大きな研究助成をいただき感謝致します。
 患者さんに移植する手技を工夫し、負担の少ない形にできるようにして日帰りで受けられる膵島移植を目指すのが最終ゴールのため、これを目指して研究に邁進していきたいと思います。

■神戸大学医学部付属病院 眞庭謙昌病院長からのお礼の言葉
 この度は日本IDDMネットワーク様から我々の病院で行っております研究に対して助成をいただきありがとうございます。そしてまた今回の研究は国立国際医療研究センターの先進的で世界をリードする研究と一緒に受賞させていただけるとのことで、我々病院といたしましても名誉なことと捉えております。
我々の病院では糖尿病に対する研究を長く取り組んで来ております。以前もこちらの糖尿病内科にもご支援をいただき、そちらの研究もしっかり進めております。
今後は内科からのアプローチに加えて今回の外科からのアプローチが両輪となりしっかり、また国立国際医療研究センターと肩を組んで研究を進めさせていただきたいと思います。
患者さんに福音をもたらすよう、しっかりとスピード感を持って取り組んでいきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

■神戸大学大学院医学研究科 外科学講座 国際がん医療・研究推進学分野 浅利貞毅特命教授からのお礼の言葉
 この度は私たちのプロジェクトに対して日本IDDMネットワーク井上理事長をはじめ、スタッフの皆様、佐賀県庁の皆様、そしてプロジェクトを支援してくださった多くの方々に厚く御礼申し上げます。
 私たちの最終的な目標は医療産業化により全ての1型糖尿病患者さんをインスリン注射から解放することで、今後もこれを目指して取り組んでいきたいと思います。

【助成研究について】
以下2件の研究に助成を行いました。

〇研究課題名:
First in Human=ヒトに初めて投与する段階の治験を開始するために、実験データをもとに治験実施計画書を作成し実行する。
○研究代表者: 国立国際医療研究センター研究所 膵島移植企業連携プロジェクト長 霜田雅之
○助成額:1,050万円
○研究概要:
1 型糖尿病根治の治療法として期待される「膵島移植」ですが、「ドナー不足」と「免疫抑制剤が必要であること」が課題となっています。その課題を克服するため、大量かつ安価に入手可能なブタの膵島を特殊なカプセルで封入した「バイオ人工膵島」の開発を進めています。
 本研究では、臨床試験を行うための臨床試験実施計画書を作成することとしています。そのために、バイオ人工膵島の製造法、評価法、検査法などを確立し、効果を示す実験データをまとめ、実施体制を整備するなど実際臨床試験を実施するために必要なさまざまな項目を確立していきます。
 初めての臨床試験は2025年の実施を目指しています。この目標のために、神戸大学の浅利先生のグループと協力していきます。

〇研究課題名:
インスリン離脱ができる異種膵島移植法の確立と産業化に向けた生産システムの構築
○研究代表者: 神戸大学大学院医学研究科 外科学講座 国際がん医療・研究推進学分野 特命教授 浅利貞毅
○助成額:1,300万円
○研究概要:
ヒトからヒトへの膵島移植は、1型糖尿病治療として2020年4月に保険適用となりました。しかしながら、臓器提供者の不足や免疫抑制剤の不可欠性という問題により、一般的な治療法として普及するには限界があります。これらの問題を解決するため、神戸医療産業都市を背景に、医療用ブタから膵島を分離し、ヒトの膵島に拒絶反応を起こさないよう免疫隔離カプセルに封入したのち皮下組織に移植する「バイオ人工膵島」移植の確立を目指しています。また、効率よく移植できるよう皮下移植用の医療機器開発も進めています。
 体に優しく必要なときに繰り返し治療できる「バイオ人工膵島」移植によって、すべての1型糖尿病患者さんをインスリン注射から解放することを最終目標としています。

▼研究概要の詳細はこちら
First in Human=ヒトに初めて投与する段階の治験を開始するために、実験データをもとに治験実施計画書を作成し実行する。

インスリン離脱ができる異種膵島移植法の確立と産業化に向けた生産システムの構築

日本IDDMネットワークでは、2005年の1型糖尿病研究基金設立後、研究費助成を行っており、日本IDDMネットワークでは、2005年の1型糖尿病研究基金設立後、これまで128件 6億7470万円(本研究助成を含む)の研究費支援を行っています。

今回の研究助成金は、佐賀県庁へのふるさと納税を活用したクラウドファンディングで寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング®」で呼びかけた寄付金を財源としております。
“不治の病”で苦しむ子どもたちを「日帰り移植手術」で救いたい
寄付募集期間: 2022年6月1日~2022年11月30日

▶日本IDDMネットワークを指定した佐賀県庁へのふるさと納税はこちらから
https://japan-iddm.net/support/fund/furusato/