「iPS細胞による『1型糖尿病の根治』につながる研究課題」4件に対し、佐賀県庁への“日本IDDMネットワーク指定”ふるさと納税による研究助成金(2,000万円)の贈呈式を実施しました。

2022年02月24日

2022年2月24日(木)、佐賀県庁への日本IDDMネットワーク指定ふるさと納税を活用したクラウドファンディングによるご寄付を財源とし、東京大学 医科学研究所、京都大学iPS細胞研究所、大阪大学大学院医学系研究科、東京工業大学の「iPS細胞による『1型糖尿病の根治』につながる研究課題」4件に対し2,000万円の贈呈を行いました。

東京大学からは谷口英樹教授に、京都大学からは長船健二教授に、東京工業大学からは白木伸明准教授に、大阪大学からは佐々木周伍特任研究員にご出席いただき、日本IDDMネットワークからは理事長の井上龍夫が出席いたしました。

左上上段から東京大学谷口英樹教授、日本IDDMネットワーク理事長井上龍夫、京都大学長船健二教授、東京工業大学白木伸明准教授、大阪大学佐々木周伍特任研究員

【助成研究について】
以下4件の研究に助成を行いました。

IDDMicon 研究課題名:ヒトiPSC膵島オルガノイド大量製造工程の構築に向けた膵前駆細胞増幅法の確立
IDDMicon 研究代表者: 谷口 英樹(たにぐち ひでき) 東京大学 医科学研究所 幹細胞治療研究センター 教授
IDDMicon 助成額:700万円
【助成研究の内容】
ヒトiPS細胞からヒト膵β細胞の分化誘導技術は複数のグループが研究を進めていますが、機能的なヒト膵β細胞の「大量製造」は達成されていません。その理由として、膵内分泌前駆細胞(α細胞やβ細胞などの内分泌前駆細胞=ホルモンを分泌する細胞になる前の細胞)からヒト膵β細胞に分化する過程で増殖性が顕著に低下することが挙げられます。本研究では、膵内分泌前駆細胞の細胞増殖を活性化する技術を開発して膵β細胞の「大量製造」技術を確立し、ヒト膵島オルガノイド(血管構造を有する立体的なミニ臓器)を用いた臨床研究の実用化を目指します。
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ヒトiPSC膵島オルガノイド大量製造工程の構築に向けた膵前駆細胞増幅法の確立

IDDMicon 研究課題名:異種動物胎仔の体内環境を用いたヒトiPS細胞からの膵臓の作製
IDDMicon 研究代表者: 長船 健二(おさふね けんじ)京都大学iPS細胞研究所 教授
IDDMicon 助成額:600万円
【助成研究の内容】
1型糖尿病に対する根治療法である膵臓移植におけるドナー臓器不足の問題解決のための研究です。
遺伝子を改良して膵臓を形成できないようにした動物の胎仔の本来膵臓が形成される部位に、ヒトiPS細胞から作製した胎児期の膵細胞を移植し、動物の体内でヒトiPS細胞から膵臓を作製する技術の確立を目指します。
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異種動物胎仔の体内環境を用いたヒトiPS細胞からの膵臓の作製

IDDMicon 研究課題名:代謝特性を利用した新規膵臓β細胞分化方法の開発
IDDMicon 研究代表者: 白木 伸明 (しらき のぶあき)東京工業大学 生命理工学院 准教授
IDDMicon 助成額:500万円
【助成研究の内容】
膵β細胞は6段階を経てiPS細胞から作成されますが、各ステップごとに最適な細胞分化培養液が必要です。最近になり、細胞ごとにアミノ酸やミネラルなど培養液中の栄養素の使い方(代謝特性)が違うことが分かってきました。
そこで本研究では、iPS細胞からβ細胞を作成する際に経由する細胞ごとの栄養素の利用の違いを正確に把握することでその違いを利用したカスタム培養液を開発し、目的の細胞が必要とする栄養素を過不足なく供給します。このことによりインスリンを分泌する能力のさらに高い膵β細胞を高純度で作成することを目指します。
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代謝特性を利用した新規膵臓β細胞分化方法の開発

IDDMicon 研究課題名:ヒトiPS細胞を用いた膵β細胞分化における脂肪酸代謝の重要性解明と1型糖尿病再生医療への応用
IDDMicon 研究代表者: 佐々木 周伍(ささき しゅうご) 大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学糖尿病病態医療学 特任研究員
IDDMicon 助成額:200万円
【助成研究の内容】
iPS細胞やES細胞から膵β細胞を作製する際、最新の方法を用いても半分の細胞はきちんとβ細胞になりません。マウスを用いた研究で、脂肪酸がβ細胞の誕生・成熟にあたり重要である可能性を発見した本研究では、ヒトiPS細胞を用いて、膵β細胞の誕生・成熟に脂肪酸が重要であるかを詳細に解明します。さらに、その知見に基づいてiPS細胞から効率よくβ細胞を作製する方法を見つけ、安全で有効な新しい治療法を確立します。
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ヒトiPS細胞を用いた膵β細胞分化における脂肪酸代謝の重要性解明と1型糖尿病再生医療への応用

日本IDDMネットワークでは、2005年の1型糖尿病研究基金設立後、これまで107件、5億3250万円(本研究助成を含む)の研究費助成を行っています。

 今回の研究助成金は、佐賀県庁へのふるさと納税を活用したクラウドファンディングで寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング®」で呼びかけた寄付金を財源としております。
 「iPS細胞で難病の子どもたちを救いたい~毎日の注射から解放するために~
寄付募集期間: 2021年2月12日~2021年7月31日

▶日本IDDMネットワークを指定した佐賀県庁へのふるさと納税はこちらから
https://japan-iddm.net/support/fund/furusato/