富山大学へ“日本IDDMネットワーク指定ふるさと納税”を財源に2000 万円の研究助成を実施いたします。

2019年03月20日

<左から戸邉一之教授、井上龍夫理事長、中條大輔特命教授、齋藤滋病院長>

 2018年10月5日~2019年1月31日に佐賀県庁とふるさとチョイスのご協力により実施したふるさと納税を活用したプロジェクトでは、約1000名の支援者から3000万円を超えるご寄付をいただきました。
 ご寄付をいただいた皆さまにあらためて御礼申し上げます。

 このうちの2000万円を2期に分けて中條大輔富山大学特命教授のグループに助成いたします。
 2019年3月18日に富山大学において、齋藤滋富山大学付属病院長も同席のもと贈呈式を開催し、富山大学附属病院臨床研究管理センター特命教授中條大輔先生へ日本IDDMネットワーク井上龍夫理事長よりお渡しいたしました。
 なお、今回は総額2000万円のうち第1期分として、1100万円を贈呈いたしました。

 贈呈式では、井上龍夫理事長から今回の助成財源は佐賀県庁への日本IDDMネットワーク指定ふるさと納税であることを述べ、本研究についての大きな期待感を伝えました。
 その後、齋藤滋富山大学附属病院長から今回の助成に対するする謝辞が述べられました。「研究者が獲得する研究費には公的な資金や製薬企業からの資金もありますが、今回のように患者・家族の皆さんから提供される研究費が最も大切で、担当する研究者や研究機関はその重みをしっかり受け止めて成果を上げるように
頑張らなければならない」と決意を示されました。

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助成対象の研究は以下のとおりです
IDDMicon テーマ:発症早期1型糖尿病に対する免疫修飾療法の有効性と安全性に関する臨床試験
IDDMicon 研究者:中條大輔富山大学附属病院臨床研究管理センター特命教授
IDDMicon 金 額:1100万円

<助成研究の概要>
 1型糖尿病の根治を目指すには、疾患の原因である「自己免疫」を制御する必要がありますが、最近までその方法は確立されていませんでした。本研究は、米国での研究発表をもとに薬剤を用いて自己免疫の制御を試みる、国内初の臨床試験です。
 免疫修飾療法とは、体の免疫の状態を調整する治療のことです。発症して間もない(まだ自分のインスリンが残っている)1型糖尿病患者を対象に、薬剤を用いた免疫修飾療法を行うことで自己免疫を制御し、自分のインスリンを減らさずに維持することを目的としています。
 2種類の薬剤によって、自己免疫の主役である「病原性リンパ球」をやっつけるとともに、自己免疫を阻止する「制御性リンパ球」を増やすことで自己免疫の制御を目指す治療です。この治療は「臨床試験」という仕組みで行うため、免疫修飾療法を受ける患者(10人)と受けない患者(10人)を比較し、2年間注意深く経過観察することで、この治療が有効かどうか、また安全かどうかを検討します。
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 贈呈式終了後には1型糖尿病患者・家族や支援者が当該研究の研究室訪問を行い、関係者が一緒になって「治る未来」を共有しました。