【イベントの動画を掲載しました】日本IDDMネットワーク25周年記念イベント -2025年1型糖尿病根治に向けて-&第3回山田和彦賞贈呈式

2021年10月17日


2021年10月17日(日)、「日本IDDMネットワーク25周年記念イベント -2025年1型糖尿病根治に向けて-&第3回山田和彦賞贈呈式」をオンラインにて開催し、約110名の方にご参加いただきました。
ご参加・ご協力をいただいた皆さま、誠にありがとうございました。

イベントの様子をYouTubeに掲載しています。ぜひご覧ください。
※25周年記念イベントの動画は全部で9つに分かれており、1/9と書かれている動画表示画面の右上の「IDDMicon 」マークよりご選択いただけます。
※会場とオンラインでのハイブリッド形式で行ったため、録画や音声の取り込みが上手くできていない部分があります。ご了承ください。

第3回山田和彦賞贈呈式

 

臓器移植の第一人者である松本慎一氏(株式会社 ポル・メド・テック 取締役<異種膵島移植事業担当>、国立国際医療研究センター膵島移植プロジェクト研究アドバイザー)への山田和彦賞贈呈の後、
受賞記念講演「膵島移植 感謝の気持ちをこめて」を行っていただき、日本における膵島移植実現までの道のりや1型糖尿病研究基金への想いについてお話しいただきました。

松本先生は日本で初めて膵島移植を行い、その後の膵島移植の実用化、さらにはブタ膵島を用いた異種移植よる研究開発を推進・牽引されており、2025年のバイオ人工膵島移植による1型糖尿病根治術の確立を目指されています。

日本IDDMネットワーク25周年記念イベント -2025年1型糖尿病根治に向けて-

理事長の井上龍夫が日本IDDMネットワーク設立の経緯とこれまでの歴史について説明した後、「今後の活動の展望と『治る』から『治らない』という夢の実現に向けて、多くのお世話になった方々への感謝の気持ちを込め、大きな希望を感じてもらえる場として開催したいと思います。」と挨拶を述べました。

また、以下の来賓の皆様よりお祝いのビデオメッセージを頂戴しました。
・山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所所長)
・西川伸一氏(NPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン代表理事)
・植木浩二郎氏(国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター長、一般社団法人日本糖尿病学会理事長)
・坂口志文氏(大阪大学免疫学フロンティア研究センター実験免疫学・特任教授、大阪大学栄誉教授)
・村上龍氏(作家)

パネルディスカッション「みんなで成功を祝いたい”治らない”から”治る”をみんなで目指す ~今、そして、未来に向けて私たちにできること~」では、パネリストに松本慎一氏(株式会社ポル・メド・テック 取締役(異種膵島移植事業担当)、国立国際医療研究センター膵島移植プロジェクト研究アドバイザー)、井上龍夫(日本IDDMネットワーク理事長)、岩永幸三(日本IDDMネットワーク副理事長)が、2005年の1型糖尿病研究基金創設時の想い、基金を立ち上げてからの16年、日本IDDMネットワークとポル・メド・テック社との協働、2025年の根治に向けてディスカッションを行いました。

2005年の1型糖尿病研究基金創設時の想い、基金を立ち上げてからの16年について

井上龍夫(日本IDDMネットワーク 理事長)
この病気を根治・根絶するという思いでやってきました。
研究基金の立ち上げにはJDRF(アメリカの1型糖尿病研究財団)に出会ったことで『アメリカではここまでやっているのだ』と刺激をうけたことも大きかった。

岩永幸三(日本IDDMネットワーク 副理事長)
サントリー創業者鳥井信治郎氏の「やってみなはれ。やらなわからしまへんで。」の言葉が好きで、走れば何かしらの成果があるのではないか、という思いで、活動をしています。
患者、家族が医療者に意見を言うことはよろしくないと捉えられていた時代に、松本先生たちとフラットに前向きな話ができたことで一緒に何かやれるのではないかと感じ、2005年に基金を立ち上げました。当時は不安の方が大きく、立ち上げ後4年目にして初めて200万円の助成をすることができました。
今も寄付をされた皆さんにどのような成果報告ができるのかということは大きなプレッシャーの中でやっています。

大村詠一(日本IDDMネットワーク 専務理事)
同じ想いを持って走っている仲間がいるということは心強いですね。

岩永幸三(日本IDDMネットワーク 副理事長)
ふるさと納税で寄付をしてくださっている方の7,8割は患者でも家族でもない方です。
村上龍さんのビデオメッセージにもあったように、研究の成果は突然あっという間に起こる、それを具体的にしてくださるのは松本先生です。
今は明確な成果が見えないかも知れないが、ぜひ期待して待っていてほしいと思います。

株式会社ポル・メド・テックとの協働について

松本慎一氏(株式会社ポル・メド・テック 取締役(異種膵島移植事業担当)、国立国際医療研究センター膵島移植プロジェクト研究アドバイザー)
まず、このような事業(バイオ人工膵島移植)に思い切って飛び込んでくれたことに感謝いたします。
このプロジェクトで一緒に夢を現実にしようと思ってくれたことに感謝し、みんなの力を合わせて2025年になんとかこの病気を治す病気にしたいと、一緒に頑張りたい考えています。

2025年に向けての決意

井上龍夫(日本IDDMネットワーク 理事長)
いま松本先生からご紹介のあったポル・メド・テック社は、バイオ人工膵島移植に取り組む民間企業です。こういった民間企業ができたということに強い希望を持ちました。バイオ人工膵島移植の技術を現実化させるのに必要なのがこのような民間企業です。
目標5億円として掲げて、2025年に患者に実用医療として提供できるよう、期待を込めてバイオ人工膵島移植ジャパンプロトコール2025基金を立ち上げました。

松本慎一氏(株式会社ポル・メド・テック 取締役(異種膵島移植事業担当)、国立国際医療研究センター膵島移植プロジェクト研究アドバイザー)
これまでの膵島移植の技術を結集した集大成として、詳細なスケジュール表を書くレベルで進めています。日本IDDMネットワークとは膵島移植の最初から二人三脚でやってまいりましたが、2025年には「成功しました」と報告できるようにがんばっております。

岩永幸三(日本IDDMネットワーク 副理事長)
5億円という研究資金は松本先生との約束です。2025年には記者会見をして皆さんと根治の祝杯をあげたいと思っています。
IDDM白書の松本先生の言葉にあったように、私たちの活動により多くの方にご参加いただき、ぜひみんなで成功を祝いたいと考えています。「参加」と言うのは寄付だけではなく、色々な形があります。ボランティア、イベントに参加するなど、根治を実現するためにぜひ私たちの活動に参加ください。
また、2025年に根治の目標を達成した後には、次のゴールを大村専務や細目社長、岩田投手など、次の世代にも目指してもらいたいと考えています。

大村詠一(日本IDDMネットワーク 専務理事)
バトンをしっかり受け継いで次のゴール目指してタスキをつなげていきたいと思います。

井上龍夫(日本IDDMネットワーク 理事長)
今年はインスリン発見100年です。この記念すべき年に、我々患者・家族の団体と、企業とでキックオフできるということはとても意義のあることだと思います。
2025年の根治・根絶に向けて、改めて皆様のご協力を願いします。

また、25周年感謝のセレモニー(寄付者の皆様への感謝状披露)の後、「2025年1型糖尿病根治 その先へ」と題して、日本IDDMネットワークが資本業務提携を行う株式会社Langerhans 代表取締役CEO細目圭佑氏と井上龍夫(理事長)による対談を行いました。

井上龍夫(日本IDDMネットワーク 理事長)
「我々は2025年で研究助成を止めるわけではありません。その先にどういう広がるがあるのか、『治療・根治・予防』をテーマにロードマップを作成しています。
大村詠一や岩田投手のように患者がスポーツを通して希望を与える方もいますが、細目さんはビジネス分野での患者のロールモデルとして期待を込めて資本業務提携を行います。」
 
※ 本件は最終合意に至りませんでした。よって「1型糖尿病患者起業支援基金」による支援は行っておりません。
 
細目圭佑氏(株式会社Langerhans 代表取締役CEO)
「次の25年に向けて当事者として一緒にやっていきたいと考えています。
ランゲルハンスも日本IDDMネットワークの目指すべきところは同じで、より持続的でより大きく進んでいきたいと考えています。
糖尿病は、患者だけでなくその家族も向き合うことが難しいと思い、私たちはを血糖値測定プロダクトを開発しました。ぜひ糖尿病患者とそのご家族に、コミュニケーションツールとして使用していただければと思います。」

岩田稔投手×大村詠一 対談「これからの未来に向けて ~患者・家族へのメッセージ~」では、岩田稔氏(阪神タイガース 投手)がオンラインで生出演し、大村詠一(日本IDDMネットワーク専務理事)と対談を行いました。

<岩田稔氏(阪神タイガース 投手)からのメッセージ>

 

・1型糖尿病と付き合いながらの競技生活
高校2年生の時に1型糖尿病になり、当時僕は社会人(野球)の方を次の就職先で考えていた時に、企業の方から糖尿病だから取れないというような言われ方をされ、それが悔しくて「そこの企業よりもいいところに就職したる!」と思い、親に大学へ進学をさせてもらって、その言われたひとことが忘れられなくて、がんばって四年間練習を積んでいたら阪神タイガースから声を掛けていただいてプロ野球の世界に入ることができました。

プロの世界に入ったということはやはり注目をされるということで、注目をされる中で自分が1型糖尿病を持っていることで、自分ががんばることにより他の患者さんや家族が勇気をもらったり、「あいつが頑張っているなら頑張れる」と思えるような選手になれたらいいなと思ってずっとやってきました。

・1型糖尿病患児から岩田稔投手へのメッセージの紹介(抜粋)
「1型糖尿病になって野球に興味の無かった母も姉も家族皆で岩田選手を応援する様になりました。
岩田選手を観に甲子園にも行く様になりました。
1型糖尿病になっても、諦める事は無いんだと、思える様になりました。
引退しても、岩田選手は 私達のヒーローです。
ありがとうございました。」
「息子が3歳で1型糖尿病を発症して不安でたまらなかったとき、岩田選手のことを知り、未来が開けた気がしました。『やらな、しゃーない!』も何度も読みました。
岩田選手の試合を息子と見に行きたいと思っていましたが、コロナ禍で叶わなかったのが残念でたまりません。あなたの活躍は1型糖尿病患者とその家族の希望でした。前向きになる力を授けて下さってありがとうございました。今後のご活躍を心からお祈りしております。お疲れ様でした!」

・1型糖尿病研究基金、岩田稔基金への想い
2009年から日本IDDMネットワークさんとは色々お世話になっていますが、その中のひとつとして1勝につき10万円寄付というのをやらせていただきました。
阪神タイガースの入団会見で「1型糖尿病の希望の星になる」と発表していました。僕も1勝するごとに来期につながる一歩を踏み出せているので、その踏み出した一歩を何か1型糖尿病を治すことに協力できないかと球団の方と相談し、1勝につき10万円寄付ということになりました。
毎年2桁勝って100万円を研究基金に充てたいと考えていましたが、1年に1回とはいかなかったですが自分なりに微力ながら積み上げられたという感じですね。
また、今後野球での競技人生が終わった後も何かつながるものを残しておきたいということもあり、岩田稔基金を立ち上げさせてもらいました。これから実績を残していきたいと考えています。

セルジ・サンペール選手(1型糖尿病患者/プロサッカー J1 ヴィッセル神戸)からのメッセージ

・今後の展望について
現役の時はなかなか全国をまわることができなかったので、これからは幅広く動くことができそうなので、全国をまわって糖尿病の啓発や根治に向けて活動したいと思っています。

・患者と患者家族へメッセージ
僕も17才の時に一人の患者として1型糖尿病をスタートしました。辛いこともあると思うけれど、それが当たり前に、生活の一部になれば、もやもやしているものもいつの間にかなくなっていくと思うので明るく、楽しくがんばって生活していただければと思います。
僕もプロに入って16年間やりましたけれど、野球を小学校から通算32年間続けてきました。
野球が一区切り終わった、ここからまた新しいチャレンジなので、なんでも、いろんなことに挑戦できるように、一緒に成長して行けたらなと思っています。
だから皆さんもぜひどんどんチャレンジしてください。

日本IDDMネットワークから岩田稔投手へ有田焼のワインカップのプレゼント

▶有田焼 小島芳栄堂のワインカップ
https://japan-iddm.net/support/fund/toast_of_hope/

閉会挨拶 大村詠一(日本IDDMネットワーク専務理事)

今年2021年はインスリンの発見から100年という記念すべき年です。
つまり100年前、インスリン補充が欠かせない糖尿病は「死んでしまう病気」から「生きられる病気」に変わりました。

私たち日本IDDMネットワークは多くの方のご支援を力に変えながら2025年に向けて
バイオ人工膵島移植を筆頭に、この病気を「治らない」から「治る」へ、
変えていく研究を日本で実現していこうとしています。

膵島移植は日本での2004年の成功からはじまり、健康保険が適用になる標準治療になったのは2021年と、年月が必要でした。

「新しい治療法がみつかり、それを標準医療にしていく」、
皆さんに様々な選択肢を届けるためは様々な力が必要です。
20xx年、選べないから選べる治療へ、
そんな選択肢を私たちは患者・家族の元に届けて行きたいと思っています。

私たちは本当に色々な方々に支えられて本日を迎えられています。
これまでの25年間を支えてきた方々のお力がなければ歩みを進めることはできませんでした。
ぜひ次の歩みを進めるために皆様のご参加をいただければと思います。

本日は日本IDDMネットワーク25周年記念イベントならびに第3回山田和彦賞贈呈式にご参加いただきありがとうございました。
これにて閉会のご挨拶とさせていただきます。

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