国立国際医療研究センターへ、ご遺産による冠基金「金岩信一基金」から研究助成金(3,850万円)を贈呈いたしました。
2022年11月25日 2022年11月25日(金)、遺産によるご寄付で設立した冠基金「金岩信一基金」を財源とし、国立国際医療研究センターの「ブタ膵島を用いたバイオ人工膵島臨床実用化に向けた前臨床試験」に対し研究助成金3,850万円の贈呈を行いました。
国立国際医療研究センターからは、國土典宏理事長、霜田雅之膵島移植企業連携プロジェクト長にご出席いただき、日本IDDMネットワークからは理事長の井上龍夫が出席いたしました。
「金岩信一基金」は故金岩信一様のご遺族により託された寄付を財源とし、2022年に創設いたしました。金岩信一様は生前よりご令孫の1型糖尿病の根治を願っており、その実現に貢献できる研究に提供したいとのご遺志、そしてご遺族の意向を踏まえ、これからの1型糖尿病根絶に向け日本の当研究分野を牽引していただける研究者に、その期待を込めて7,000万円の基金のうち、3,850万円をお贈りいたしました。
【金岩信一基金】
寄付金額: 7000万円
ご寄付者からのメッセージ:
バイオ人工膵島移植の研究推進、実用化のために活用いただき、1日でも早く「根治」の道が開かれることを願っております。
■国立国際医療研究センター國土典宏理事長からの御礼の言葉
この度は当センターの霜田を代表とする「ブタ膵島を用いたバイオ人工膵島臨床実用化に向けた前臨床試験」に対して研究助成金にご採択いただきましたこと、大変嬉しく存じます。
日本IDDMネットワーク理事長井上龍夫様、また財源となります金岩信一基金にご寄付をいただいた故金岩信一様のご遺族の皆様に当センターを代表して深く御礼申し上げます。
本プロジェクトは当センター、企業及び他大学と行っており、近い将来の実現を目指しています。そのためには様々なプロセスを経る必要がありますが、重要なこととして安全性を確認するために実際に患者さんにバイオ人工膵島を移植する前に動物実験等、可能な限りの別の方法で効果と安全性を確保しておく必要があります。これを前臨床試験と呼び、非常に重要なプロセスとなっております。この重要なプロセスに対して本助成金を有効に使わせていただきたいと思っております。
本研究を通じてバイオ人工膵島移植治療の実現に向けて邁進してまいります。
■国立国際医療研究センター研究所 霜田雅之膵島移植企業連携プロジェクト長からのお礼の言葉
この度は日本IDDMネットワーク様から大きな研究の助成をいただき、日本IDDMネットワーク様、また基金を設立してくださった金岩信一様ならびにそのご遺族の方々に厚く御礼申し上げます。本研究を心の底から実現したいと思っており、この助成に感謝致します。
▼贈呈式・記者発表
【助成研究について】
〇研究課題:ブタ膵島を用いたバイオ人工膵島臨床実用化に向けた前臨床試験
〇研究者: 国立研究開発法人国立国際医療研究センター膵島移植企業連携プロジェクト長 霜田 雅之
〇研究資金:3850万円
【助成研究の内容】
1型糖尿病根治の治療法として期待される「膵島移植」ですが、「ドナー不足」と「免疫抑制剤が必要であること」が課題となっています。その課題を克服するため、大量かつ安価に入手可能なブタの膵島を特殊なカプセルで封入した「バイオ人工膵島」の開発を進めています。
しかしこのような新しい治療は、効果と安全性について少数の患者に対して試験を行って証明してから広める必要があります。この臨床試験も実施前に動物実験など、ヒトに移植する以外の可能な限りの方法で効果と安全性を確認しておく必要があります。
本研究では、臨床試験の前に前臨床試験という動物実験などの十分なデータをとることを目的としています。バイオ人工膵島を製造し、要求される機能をもっているか、また動物に移植して効果があるか、などを調べます。さらに、バイオ人工膵島の実用化を目指し大量生産や機能向上をもたらす改良研究も行います。
▼研究概要の詳細はこちら
ブタ膵島を用いたバイオ人工膵島臨床実用化に向けた前臨床試験
日本IDDMネットワークでは、2005年の1型糖尿病研究基金設立後、研究費助成を行っており、日本IDDMネットワークでは、2005年の1型糖尿病研究基金設立後、これまで124件 6億4550万円(本研究助成を含む)の研究費支援を行っています。
なお、国立国際医療研究センターへは総額1億4950万円(本助成を含む)の助成を行っております。
▼冠基金の詳細はこちら
https://japan-iddm.net/support/fund/named_foundation/