佐賀大学へ“日本IDDMネットワーク指定ふるさと納税”による研究助成1320万円を贈呈いたしました。
2019年06月17日<右から宮崎耕治学長、大村詠一専務理事>
下記の通り、2つの研究に対して合計1320万円を、2019年6月17日に佐賀大学において贈呈式を開催し、佐賀大学 宮崎耕治学長へ日本IDDMネットワーク 大村詠一専務理事よりお渡しいたしました。
なお、佐賀大学へは2018年3月29日に2100万円(ウイルス糖尿病予防ワクチン開発研究)を贈呈しており、今回が2回目で累計3420万円となります。
ご寄付をいただいた皆さまにあらためて御礼申し上げます。
“佐賀県庁への「日本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税”を活用して、2018年10月5日~2019年1月31日に行ったクラウドファンディング(https://www.furusato-tax.jp/gcf/420)では、第一目標(2000万円)達成後の第二目標(1500万円)として佐賀大学医学部肝臓・糖尿病・内分泌内科 永淵正法特任教授が研究代表者として進める「ウイルス糖尿病予防ワクチン開発」への支援を呼びかけました。約1000名の支援者から3000万円を超えるご寄付をいただき、このうち1000万円を研究費として贈呈いたしました。
また、佐賀大学医学部附属病院高度救命救急センター 阪本雄一郎センター長が研究代表者として進められる「災害時の1型糖尿病患者対応仕組みづくり」研究へ、“佐賀県庁への「日本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税”を財源として320万円を贈呈いたしました。
贈呈式では、大村詠一専務理事が贈呈式を開催してくださったことへのお礼や当法人の活動、財源である“佐賀県庁への「日本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税”の説明を行い、当法人が拠点を置く佐賀県の研究機関に助成できる喜びと研究への期待についてお話ししました。
その後、学長挨拶として宮崎耕治学長から2つの研究の簡単な説明と感謝の言葉が述べられ、研究者への激励の言葉が贈られました。
研究者を代表して永淵正法特任教授からも感謝の言葉が述べられ、ポスターを使った研究の説明と進捗状況の報告が行われました。
今回助成した研究は以下のとおりです。
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テーマ:ウイルス糖尿病高感受性マウスの開発-糖尿病誘発性ウイルスの同定によるワクチン開発を目指してー
研究者:佐賀大学医学部肝臓・糖尿病・内分泌内科 永淵正法特任教授
助成額:1000万円
<助成研究の概要>
1型糖尿病は発症のメカニズムが十分には解明されていませんが、ウイルス感染が原因となることもあるといわれています。永淵正法特任教授のグループは、この原因ウイルスを特定しワクチンを開発するプロジェクトを進めており、今回の助成による研究成果をウイルスワクチン開発に繋げることにより、ウイルス糖尿病の発生予防やリスク低下を目指します。なお、2015年には、マウスとヒトで共通の、ウイルス感染により1型糖尿病を発症しやすくなる遺伝子(ウイルス糖尿病感受性遺伝子)を世界で初めて発見しました。現在、第2のウイルス糖尿病感受性遺伝子もほぼ明らかになり、これまでは不可能であった糖尿病を引き起こす原因ウイルスを、最高レベルの感度で見つけ、ワクチン開発につなげる計画です。
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テーマ:1型糖尿病患者の Personal Health Record 情報集積による大規模災害時の効果に関する検討
研究者:佐賀大学医学部附属病院高度救命救急センター 阪本雄一郎センター長
助成額:320万円
<助成研究の概要>
1型糖尿病患者において、大規模災害時等におけるインスリンの確保は極めて重要な課題であり、「御本人が診察券を持参していない場合」「御本人が避難所に避難しており病院や薬局に行けない場合」「被災地域が広範囲でありインスリンの確保自体が近隣では困難な場合」を想定する必要があります。そこで本研究では、糖尿病患者用のアプリケーションに個人同意のもとでPersonal Health Record情報としての疾病情報や投薬情報を災害基幹病院である佐賀大学が集積し、災害時の個人の位置情報を有事の際に確認できるシステムを確立します。この様なシステムの有用性に関して実動訓練や机上訓練などを通じて日本IDDMネットワークのメンバーと共に検証し同ネットワークと協働して全国展開を行います。
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