【第10回】霜田雅之先生によるバイオ人工膵島移植の進捗状況

2025年12月23日

 日本での移植実現に向けて尽力する国立健康危機管理機構の霜田雅之先生に、進捗状況を毎月報告していただいております。
 第10回は、バイオ人工膵島の量産化に向けた技術的基盤が得られたこと等についてです。
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バイオ人工膵島移植の進捗状況(12月)

日頃から多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。皆様のご支援により、私たちのプロジェクトは実用化に向けて研究を継続しております。
これまでに実施してきたバイオ人工膵島を包むカプセルの透過性試験において、複数の製造ロット(生産単位)で一貫して良好な結果を得ることができています。この試験は、インスリンや生命維持に必要な栄養分・酸素は通すが免疫細胞(外部から侵入してきたウイルスなどを「自分ではない」と認識して排除する働きを持つ細胞)は遮断する「選択的透過性」が、一定の品質で再現できるかを検証するものです。科学研究が「製品」へと発展するためには、この「いつ、何度作っても同じ品質が保てること(再現性)」が不可欠です。今回の結果により、量産化に向けた技術的基盤を得ました。                                                                                                                                                                                                                                                     
現在は、この高い再現性を持つカプセルを単なる隔離膜ではなく「膵島の長期生存維持装置」としてさらに最適化する開発を行っています。より少ない膵島数で効率的に血糖値を制御するバイオ工学アプローチを並行して進めており、患者様の身体的負担を最小限に抑える移植療法の確立を目指しています。
チーム一同、より一層研究開発に邁進してまいります。今後とも、私たちの挑戦を温かく見守り、お力添えをいただけますよう心よりお願い申し上げます。

国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター 
膵島移植診療科長、膵島移植センター長
国立国際医療研究所 膵島移植企業連携プロジェクトプロジェクト長
霜田雅之

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▼第10回報告記事はこちら
https://press-iddm.net/information/6730/

バイオ人工膵島移植分野の第一人者である松本慎一先生(日本初の膵島移植医で医療用ブタ開発のために自ら法人まで立ち上げられました)からも、毎月報告していただいております。合わせてご覧ください。
▼松本先生からの最新報告はこちら
https://press-iddm.net/information/6709/

これからも、希望する全ての患者がバイオ人工膵島移植を受けられる日を実現するために、霜田先生チームの日々は続きます。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
▼「移植サポーター」1型糖尿病“根治”に向けてご支援ください
https://readyfor.jp/projects/japanprotocol2025
▼バイオ人工膵島移植 -膵島補充療法- ジャパンプロトコール基金
https://japan-iddm.net/japanprotocol2025/