【第9回】霜田雅之先生によるバイオ人工膵島移植の進捗状況

2025年12月01日

 日本での移植実現に向けて尽力する国立健康危機管理機構の霜田雅之先生に、進捗状況を毎月報告していただいております。
 第9回は、バイオ人工膵島の臨床応用に向けて、関係者と最新情報を共有しながら研究が前進している件についてです。
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バイオ人工膵島移植の進捗状況(11月)

 バイオ人工膵島移植プロジェクトへの皆様の温かいご支援が、私たちの研究を推進する大きな力となっております。心から感謝申し上げます。
 10月から11月にかけて、私たちは移植医療および再生医療に関する学会や国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の再生医療の会合に参加し、研究者や厚生労働省やAMEDの方々と研究の進捗と展望について議論を深める機会を得ました。
 松本慎一先生がご講演されたCell Transplant and Retentive Medicine Society(CTARMS)の国際学会にも参加し、次世代の膵島移植治療を牽引する研究者の方々と情報交換を行いました。最先端の研究動向に触れるとともに、私たちの進めるバイオ人工膵島研究が、国内外の関係者から大きな関心と期待を集めていることを再認識いたしました。
 特に、バイオ人工膵島を含むブタ臓器・細胞のヒトへの異種移植を目指す研究者や行政担当者と議論し、日本国内で異種移植を実現するための規制上の要件、設備基準、必要な動物実験プロトコル(手順)、および安全性試験の考え方について、情報と見解を共有することができました。
 異種移植は日本では初めての事例となるため、多分野の関係者が協力し、一つ一つハードルを乗り越えていくことが、実現への有用な道筋だと改めて確認しました。 
 一方で、動物実験の条件設定など、臨床試験の準備を進める上で解決すべき課題もあります。これらの課題については、得られた最新の情報に基づき、解決を図っていきます。
 最新の科学的知見と安全性に配慮した姿勢をもって、バイオ人工膵島の人への移植実現に向けた研究をさらに進めてまいります。
 引き続き、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター 
膵島移植診療科長、膵島移植センター長
国立国際医療研究所 膵島移植企業連携プロジェクトプロジェクト長
霜田雅之

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▼第9回報告記事はこちら
https://press-iddm.net/information/6714/

バイオ人工膵島移植分野の第一人者である松本慎一先生(日本初の膵島移植医で医療用ブタ開発のために自ら法人まで立ち上げられました)からも、毎月報告していただいております。合わせてご覧ください。
▼松本先生からの最新報告はこちら
https://press-iddm.net/information/6709/

これからも、希望する全ての患者がバイオ人工膵島移植を受けられる日を実現するために、霜田先生チームの日々は続きます。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
▼「移植サポーター」1型糖尿病“根治”に向けてご支援ください
https://readyfor.jp/projects/japanprotocol2025
▼バイオ人工膵島移植 -膵島補充療法- ジャパンプロトコール基金
https://japan-iddm.net/japanprotocol2025/