超速効型インスリン「フィアスプ®注」をインスリンポンプで使用中の皆さんへの注意喚起が発表されました。

2022年03月31日

新しい超速効型インスリン「フィアスプ®注」(販売:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社)をインスリンポンプで使用中の皆さんに注意喚起が一般社団法人日本糖尿病学会から発表されています。

フィアスプ®注をインスリンポンプ(CSII)で使用時のゲル化に関する注意喚起|一般社団法人日本糖尿病学会

<今回国内で起こった事例>

患者がフィアスプ®注 ペンフィル®(写真手前のカートリッジ製剤)から注射液を抜き取ってインスリンポンプに充填して投与したところ、インスリンポンプ内のインスリンにゲル化が確認され、患者が重篤な高血糖に至りました(1例)。

また、2022年2月末までに、フィアスプ®注 100単位/mL(写真奥のバイアル製剤)をインスリンポンプで使用中にインスリンのゲル化が確認されました(8例)。なお、この8例では、高血糖などの有害事象は報告されていません。

<注意喚起の内容>

以前から、インスリンポンプにおけるインスリンのゲル化に関しての報告は散見されるとのことです。
しかし、ゲル化によってインスリンポンプ内に閉塞が生じてしまうと、必要量のインスリンが投与されず重篤な高血糖などを起こす可能性があります。

現時点ではフィアスプ®注のゲル化の原因が特定されていないことから、インスリンポンプでフィアスプ®注を使用中の方においては、ゲル化の原因と予防法が明らかになるまでは、可能であれば他のインスリンへ変更することが推奨されました。

<私達にできること>

  • インスリンポンプ使用者だけでなくペン型注射器等を利用している方も投与前にはインスリンに異変(ゲル化、白濁などの変質)がないか確認しましょう。
  • インスリンポンプでフィアスプ®注を使用中の方は次回の診察時に主治医と対応を相談しましょう。
  • インスリンポンプに装填する際はバイアル製剤を利用し、カートリッジ製剤から注射液を抜き取ることはしないように正しい使用方法を徹底しましょう。
  • <参考リンク>製剤の保管・保存・廃棄に関する注意点|ノボ ノルディスク ファーマ株式会社