災害時おけるIDDM患者の行動・支援指針作成に当たっての第3回検討会を開催しました。

2005年11月28日

第3回支援班の項目まとめ
マニュアル(指針)への掲載項目を各班で作成

<グウ班>

インシュリン入手方法

  • インシュリンをもらう人の本人確認方法
  • インシュリンを誰からどこでもらえるか?地元、勤務地
  • インシュリンをもらえる所の連絡先
  • 被災地に提供するインシュリンの種類(R、N、etc)
  • インシュリンの入手方法(本人が怪我等で動けないときに周りでできること)
  • インシュリンの調整マニュアル作成
  • インシュリンが打てないときの緊急措置
  • 薬が手に入らないときにどうすればよいか
  • どこにどれだけインシュリンを運べばよいか。
  • 薬がないときはここに行けばいいですよ。
  • 避難所での薬の保管場所と方法

災害がおこったらまずなにをすべきか、どううごくのか

  • 避難するときに気をつける事
  • 避難所へいったほうがいいか?
  • 病院の対応が出来ないときは?
  • 災害等の場所時間、こんな時はどうしたらいいか
  • 患者家族の対応
  • 災害時のインシュリン患者のヒント①~ブック本
  • 災害時のこれだけはだめですよ。
  • 余震が来る時の対応とは

避難所での生活

  • 避難所での食事について
  • 避難所での運動について
  • 眠れないときの対策とは
  • 補食をどうすればいいのか
  • 大事なときの駆け込み場所とは
  • 災害時避難所生活においての不安と(心配)心のケア
  • 患者、家族の避難所で出来ることとは
  • 暑さ対策寒さ対策
  • これだけは守ってください(災害時)

災害時に支援側がすること

  • 行政編患者の気配りとは
  • IDDM患者にはどういう特別な支援が必要か(患者が動けないとき)

日頃の事柄

○ 支援側が日頃から準備するもの

  • インシュリンを在庫している保険薬局の把握
  • 治療可能な医療機関の名称と場所
  • 糖尿病専門医の所属施設
  • 自己血糖測定器の機種名→どの医療機関が、どの機種を使われているのか?
  • 患者が行く、予定の避難所リスト

○ 患者自身が日頃から準備しておくもの、心構え

  • 自分で薬を持ちましょう
  • IDDM患者が普段確保しておくべきもののリスト(インシュリン、注射針、血糖測定器、チップetc)
  • インシュリンの自己管理量
  • 主治医との連絡方法(緊急連絡先)

マニュアルの目的

  • IDDMとは
  • インシュリンとは
  • 情報センター問い合わせ先

<パー班>

災害に備えて①

  • 普段からこんな時に気をつけよう(自助努力)
  • 災害時の低血糖対策について患者本人の啓発

備え②

  • IDDM患者に災害時のマニュアル存在を知らせる
  • IDDM患者について周囲に理解を得る方法
  • 医師、看護師の理解
  • インシュリン入手困難なときのしのぎ方について啓発、研究

備え③

  • 大震災時、こんな被害が想定される。
  • 直ちにインシュリンが必要となる患者数の推定
  • IDDM患者数の分布
  • インシュリン備蓄量と場所

災害時患者の立場で

  • 患者からのSOS発信方法
  • 必要なものを要求する
  • 飲料水
  • 食事の入手ルート(食事)
  • IDDM患者について周囲の理解を得る方法
  • 本人確認の方法
  • 供給時に必要な確認事項

災害時支援者の側の立場で

  • 災害状況の把握
  • インシュリン補給ルートの確立
  • インシュリンの入手場所の確認
  • 災害時のインシュリン供給場所の広報(情報発信)

長期的な視点で

  • 患者のネットワークを構築し災害時に融通し合う
  • ちょっと落ち着いてからの避難所での対応について
  • 連絡方法(患者の存在確認)

<チョキ班>

公助・共助―地域―

  • 地元自治会へ自分の情報を提供しておく
  • 周囲の人に知ってもらうこと
  • IDDMを全ての人に啓発、理解してもらう
  • 病気の概要(留意点)の啓発→支援者に向けて
  • 東海、東南海の想定被害を知る(医療機関、薬局、行政も被災)
  • IDDM患者と外部からわかる仕組み
  • IDカード(又はそれに変わるもの)
  • かかりつけの薬局・医療機関へ連絡する方法
  • 地域で災害時要援護者対策を検討する

自助

  • 患者の備え①医学的知識(インシュリンなしで何日間生きられるか)
  • 避難所ではどういった状況になるか
  • 患者の備え(自助)の啓発
  • もしものときに避難所を覚えておく
  • 避難先を家族で話し合っておく
  • 緊急連絡先をかならずもつ
  • 患者のかかりつけ医が第3者に知らせられる方法を持つ(災害時の対応)
  • 近所とのおつきあい=病気を知らせる
  • 災害時に自分がとる対策を書いたメモ
  • 自分で薬を備蓄する
  • 病状を知らせるメモを用意しておく
  • 非常時のチェックリストの作成
  • 家族との非常時の連絡方法(携帯メール、電話会社の災害連絡伝言板)
  • 災害マニュアルを理解しておく(当事者が)
  • 主治医との連絡体制を把握しておく(保健所等も)
  • 患者の備え②医学的知識(どうやったら延命できるか)
  • 災害時はコントロールが乱れる=医学的啓発
  • 非常時の治療関連必要品リスト(持ち歩きリスト、自家用リスト)
  • 使用しているインシュリンを可能な範囲で備蓄しておく
  • 災害時のいろいろなパターンを想定した治療法
  • インシュリンの購入先を複数決めておく
  • 災害時のインシュリン等の入手方法を知る
  • 針の入手方法も考えておく
  • 患者の裏技(針の互換とか)
  • 処方箋コピー
  • 使用している薬、使用方法を手元に持つ(お薬手帳)

共助・公助

  • 医療機関、医薬品卸、薬局、その他の支援者ネットワーク組織
  • 医療機関、薬局、マップ
  • インシュリンマップ、病院マップ(特に日常生活圏)

企業・行政

  • 避難所運営者養成プログラムへ反映
  • メーカー、卸業者のインシュリンを流通備蓄する(行政との協定)
  • 当事者にアドバイスできる支援サービス、治療法

 

支援班 議事録

平成17年11月28日(月)

16:05~18:10

 

災害時おける難病患者の行動・支援マニュアルの作成及び啓発事業

第3回検討会(支援班)

■ 出席者

NPO・当事者

 三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会 1名

 特定非営利活動法人災害ボランティアネットワーク鈴鹿 2名

 特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク 3名

 京都つぼみの会 1名

 つぼみの会愛知・岐阜 1名

企業

 日本イーライリリー(株) 1名

 ノボ ノルディスク ファーマ(株) 2名

医療関係

三重県薬剤師会 1名 

協働事業サポート委員 1名

行政

 三重県健康福祉総務室 1名

 三重県薬務食品室 1名

 三重県地震対策室 1名

 三重県NPO室 2名

三重県難病相談支援センター 2名

■ 議事録

  • 特定非営利活動法人日本IDDMネットワークの岩永です。3月までに完成ということで、時間が無くなってきました。しかし、行政、企業、医療機関、NPOが一緒になって取り組む全国でも珍しい事例ですので、いいものをつくっていきましょう。
  • では、いつものように自己紹介をしましょう。本日は、このあと少人数で作業をしていきます。出丸さんと南部さん(以上、災害ボランティアネットワーク鈴鹿)と山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)で各班のファシリテーターをします。支援班、患者・家族班とわけずに、どういった備えや支援が必要なのか、項目を出していきます。ポストイットを使って、最終的には、模造紙に目次を書いてみて、都合、3とおりのものができますから、それを合わせれば、よいものができる訳です。行政の役割、本人の備え、NPOの役割もですね。それを検討していけば最終的なイメージが出てくるはずです。
  • 保健所の所長さん(医師)については、本日来ていただける予定ですが、別件でぎりぎりになりますと連絡をいただいています。それと卸売企業の方はどうでしょうか。
  • スズケンさんですが、卸組合を通してから依頼してくださいということで、いま調整中です。
  • 第3回以降の進め方ですが、意見集約をすると、2時間支援班、2時間患者・家族班で別個に行うという今の形が6名、分けずに全体で行うが5名、ほかに支援班と患者・家族班で共有できる時間をつくるというのがありました。共通の会議を持つとかですね。4時間通しは厳しいので、今まで通り、2時間(支援班)、休憩1時間、2時間(患者・家族班)という従来の方式で行きたいと思います。従来でもどちらでも参加可能なので、また、必要に応じて別途会議を持ちます。曜日と時間帯もだいたい今の形が支持されています。では、さっそく班分けをします。患者・家族、行政、企業、薬剤師等、偏らないように班をつくります。
  • グー、チョキ、パー班に分かれて作業をしてください。必要な項目をだして、グルーピングをしてください。あとは、ファシリテーターさん、よろしくお願いします。
  • 文章はやめて、キーワードでお願いします。
  • あんまり単語ではなくて、短文でお願いします。

=グループ作業=

-発表-

<チョキ班>

  • まず、表が、自分で事前に備える分です。裏は、災害が起きてからの分です。
  • 自分で備えるというのが一番多いです。
  • 医学的な日々の対応とIDDMであろうが一般人であろうが備えておくことを書いています。
  • 共助・公助として、以前からでている、患者がインシュリンを確実に手に入れるカードですね、行政のお墨付きがあるものが良いですね、要援護者で共通して使えるものですね。
  •  それと東海・東南海の被害アピールも必要です。
  • 関係機関のネットワークやインシュリンマップ等が必要だと言うこと、企業、行政の体制を整えるということですね。
  • つぎに、災害が起きてからの分です。以外と少ないです。想定がうまくできなかったのですが、3段階を想定しています。発生直後、一ヶ月程度、年単位のですね。
  • 主治医との連絡が重要、ニーズが伝わるルートが大事だと言うこと、在庫としては1ヶ月程は持っているかと思いますが、どうやって手に入れるかを把握したり、精神的ストレスもありますので医学的な対策を盛り込む必要があるとしています。

<グー班>

  • みなさんで出したものを、分類していきました。
  • 目的が最後ですが、インシュリンとはIDDMとは、というのが出ています。
  • 日頃からやっておくべき事ということで、支援側が準備するもの、患者側が準備するものとしてあげています。
  • 支援側として、インシュリンがある施設のマップ、リスト、患者が行く避難所はどこかを把握する。
  • 患者側は、まず、薬を持つ、確保すべきリスト(インシュリン、注射、測定器、チップ)というリスト、インシュリンの自己管理、量を知っておくこと、主治医の緊急連絡先、まず、災害が起こったときにはなにをすべきか、怪我をしない、避難所に行くのか、病院へいくとしたら、家族、患者はどうするか、災害時のインシュリン患者のヒント、余震への対応。
  • つぎに避難所での対応、生活、運動、食事、眠れないとき、など心のケアをどうするのか、患者、家族が避難所で出来る対策、暑さ寒さ、守るべき事。
  • 支援側は、意見が少ないのですが、行政側として気配りが出来ること、特別な処遇が必要なのか、怪我で動けないときに周囲ができることがあるの他、インシュリンをもらうときの本人確認、どこでもらえるのか、種類について、入手について本人が出来ないときに周囲ができること、薬の調整量のマニュアル、インシュリンが打てないときの緊急措置、どこにどれだけのインシュリンを運ぶのか、薬がないときにいくところ、避難所での保管方法が出ました。

<パー班>

  • 時系列で整理しています。最初に災害に備えて、自分、患者側からの立場です。2が両方で3が支援です。
  • 普段気をつけることですが、自助努力、低血糖対策、本人への啓発、備えるのは周囲に理解を得る方法、あと、患者に災害マニュアルの存在を知らせる、医師、看護士に啓発する。
  • 支援側として、被害想定をいれておく、直ちにインシュリンが必要となる想定、分布を調べておく、インシュリンの備蓄量です。実際災害時には、患者の立場というので分けています。自分が患者であることを発信する、必要なものを伝える、本人確認方法、供給確認方法、食べ物、飲料水、患者の立場で災害がおこってからの話を考えています。本人に対するマニュアル、違う立場で書けばですが、被害状況の確認、ルートの確立、入手方法の確認、情報発信、薬のやりとり、患者の存在確認などを含めて時系列で整理しています。

 

  • これを全て入れていくと、100頁、病院リストだと、1回つくっておしまいではなくて、更新が必要です。バインダー方式ですね。薬も新しいものがでます。その都度入れ替えないといけなくなる。すぐにではないですが、一度整理して、意見を詰めていきたいと思います。この後で、患者と家族のディスカッションがあるので、そこで意見を聞きたいと思います。
  • 目的を理解して欲しいのですが、モデルとしてIDDMとして絞って、災害時における難病患者の行動・支援マニュアルの作成及び啓発事業ですから、それ以外のものを省くのはどうでしょうか。
  • 本人だけに絞るか、行政だけに絞るか、そうではなくて、全部となると頁が多くなります。そうでなくてはできないので、そういったバックの話を考えるとぞっとします。
  • 新潟中越地震のときのパーキンソン病患者会発行の冊子があります。その中には一般的に備えておくリストも掲載されています。だから、一冊にすると分厚くなる、あるいは、2種類(一般的なもの、特有なもの)というのはありかなあ思っています。でも、通常の備えと一緒でもいいと思います。
  • 三重県では、一般的な備えというのをつくっているので、セットとして配布しても良いかと思います。
  • 最後に先ほどチラシを配りました。1月29日の日本IDDMネットワーク主催の全国フォーラム分科会でこの問題を取り上げています。そのときにはある程度姿ができて、みなさんと一緒に議論できたらと思います。
  • 場所は、東京です。29日は飯田橋レインボービルです。

-閉会-

家族班 板書
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家族班 議事録

平成17年11月28日

19:05~21:10
 

 

災害時おける難病患者の行動・支援マニュアルの作成及び啓発事業

第3回検討会(患者・家族班)

■ 出席者

NPO・当事者

特定非営利活動法人災害ボランティアネットワーク鈴鹿 2名

三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会 1名

つぼみの会愛知・岐阜 1名

つぼみの会三重 3名

特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク 4名

協働事業サポート委員 1名

医療関係

  国立病院機構三重病院 1名

行政

三重県薬務食品室 2名

三重県健康づくり室 1名

三重県NPO室 2名

■ 議論

  • なにに困っているか見えないという意見がありました。そこで、支援側ではどういったマニュアルが必要かということを考えてみました。IDDM患者が自立した避難生活を送るために必要な・・・ということで支援側で考えてみたのが、(壁に掲示している班別発表)です。事前にしておくことが多いです。長期的な視野でとか、どうやってインシュリンを手に入れるのかというのがでてきた班もあります。もう一つ出てきた課題として災害時のイメージが足りないと言うことで、患者が被災したことを想定できるツールを用意しました。目黒巻、なんだと思った方もいらっしゃったかとおもいますが、東京大学の目黒先生がつくったこのやり方で、災害がおこって自分が普通の生活に戻るまでを想定していくというものです。実際には目黒巻を作るには2~3日かかります。それをいまからやります。はさみ、のりを回してください。発災10秒後からずっと先までつづくものですが、糊代をぺったんとくっつけてください。

―作業―

  • だいたい出来ましたか?長くなりましたね。巻いてください。だから、目黒巻です。それではみなさんが巻いているので出来たようですね。災害のストーリーをつくります。まず、災害の名前を入れてください。地震と書き込んでください。記入日が本日ですね。設定というのがあります。地震が起こったときの設定ですね。2とおりに設定を変えます。私から見て右側の方は冬、左の方は夏です。天気ですが、冬はくもりで寒い、雪が降りそうです。夏は、夏休みの後半、晴れています。三日後に台風が。時刻はこちらの冬版の方は19時、夏は11時、昼間です。平日です。どちらも平日です。記入者は自分の名前、立場は自分の立場、本人と書いておいてください。これで設定終了です。さて、みなさん、冬曇り寒く夜災害に遭う、夏昼間前に災害に遭う人がいますが、東南海地震がおこった震度6弱、強、一部震度7ですね。地震発生です。時刻を入れてください。19時ですね。みなさんの設定された、冬の曇った19時、夏の晴れた11時、自らの設定、職場にいて仕事をしている、冬ならば夕食を食べている、リビングにいる、自分の設定を詳しく書いてください。夏の晴れた11時になにをしているか、これから5分かけて何をしているか書いてください。

―作業―

  • なるべく、周囲の人もあわせて考えてくださいね。さて、地震が発生します。横揺れがまず発生します。イメージを高める為に映像を見せましょう。さて、10秒後、1分後なにをしているか、自分を主人公として30分後までイメージしていってください。なにをするとか、誰々さんはどうしているかですね。
  • 職場でパソコン作業中、そばには同僚が2人、横に高い棚、後ろに低い棚、その棚がどうなっていったかも書きいれてください。

―作業―

  • 物語ですから、ストーリーを考えて物語を書いてくださいね。心理状態も書いてください。新たな登場人物を書いてくださいね。となりのおばちゃんがきたとか。ちなみに地震は1分ちょっと揺れますよ。
  • テレビはどうですか。
  • 電気が切れているのでは・・・
  • 東南海、東海も最低1分続き、余震は断続的に発生します。

―作業―

  • 地震発生時、友人とランチに行こうと地下鉄の駅にいた・・・
  • 病院にいて・・・
  • 30分くらい経つと家族と連絡とかしたいですね。

―作業―

  • では、つぎの検討会までに完成させてきてください。
  • 車で移動しようとする人がいますが、移動はできません。家が倒壊するとかあまりかんがえませんか。
  • これから地震が起こった3日間をイメージして、3日間なにが心配か、1週間でもいいですが、どういった対策を練るか、当事者、家族がどういった対策をするか、前回、前々回もしましたが、ふりかえって見ましょう。

―休憩―

  • 再開します。これまでの検討会の代表的な意見を岩永さんから話してもらいます。
  • 話の中で、共通するのは、インシュリンを入手する方法です。あとは、医学的にきちんと確認されていないことで気になっているのは、インシュリンなしでどれくらい生きていられるのか、4日目、5日目で昏睡なのか、まったく無い場合に、少しずつ使ってとか、針は何回つかえるのかとか、他のメーカーと互換性があるのではないかとか、本人が病気であることを口にしない中で、災害時に見た目が普通なので医療機関で対応してもらえるのか、血糖コントロールの問題、外出先での被災等、場面、場面での対応、子どものケアと成人のケアとか、家族の方は子どもにどうやって届けるのか、インシュリンマップの必要性、病院が遠いとか、本当に薬局でもらえるのかとかですね。
  • いままで、そういった意見がでていました。
  • (医師)最初の医学的な問題ですが、何日生きられるかですが、人によって違います。1日もたない人もいるかもしれません。昨日の夜注射を忘れたら、翌日は大変血糖値が上がります。血糖が大変高くなっている状態、高血糖が続くとケトアシドーシスですね。大変気分が悪くなっているはずです。インシュリンが届くまで何日かかるかですが、いまは想定3日ですか、そうするとそこまでもつよう調整する(少なく打つ)しかありません。やめると死にます。動けなくなります。インシュリンを打たないわけにはいかない。3日分もっている人であれば大丈夫でしょう。歩いてでも病院に行ってもらう。4~5日で正規のルートでもらえるようになるのでは。神戸(阪神・淡路大震災)の場合はどうだったでしょうか。
  • 1週間くらいでしょうか。
  • (あのころより対応する組織は進んでいるので?)神戸の時より早く対応できるのではないでしょうか。
  • 三重県を支援するのは、東海圏、愛知、奈良、和歌山、大阪はともに被災するのでだめですね。支援の期待ができるのは北陸、中国地方からです。3日で届くという見込みではつらいです。
  • (医師)針は、へたるまで使って大丈夫でしょう。4,5日は消毒しなくても大丈夫でしょう。
  • (三重県)1週間薬が手に入らない状況というのは、他の病気の人も大変です。相当悲惨な状況です。国際的にも1週間で医療チームきますから。薬が1週間手に入らない状況は、日本が半分沈没するような状況です。
  • 1週間分もっていれば、人に分けても良いくらいです。
  • (問題は)交通機関、輸送機関、孤立した状態のところに住んでいる人ですね、1週間食事がないという状況は、大変きついです。
  • 普段からインシュリンは、手元に常備しておかないといけないとうことですか。
  • (医師)いつも枕元に置いておいて、それを持って逃げる。そうしておかないといけないと思います。
  • 普段は冷蔵庫に置いているのですが。
  • (医師)常温で1ヶ月もちます。
  • インシュリンが、非常時の薬の流通ルートで取り扱うとしたら、血糖値の測定チップはどうでしょうか。結構血糖値が不安定なので、高血糖にも低血糖にも心配です。食前食後にまめに測っています。
  • 検査としては何日分くらい持っていますか。
  • 医者には28日間隔でいくので、それくらいです。
  • 言えば、多く出してもらえるのですが。
  • (医師)まじめに測る方はため込めないです。血糖は測らなくても、死にませんから。できれば測った方がいいでしょうが。体調がおかしいときは低血糖でなくても食べることです。(低血糖になりやすい人は)災害時には高めにコントロールしてください。
  • 先ほどの薬だけではなくて、チップが入手できないのではないか、というのが心配事ででていましたが、そういったものは通常ルートが回復しないとダメですか。
  • (医師)あればラッキーと考える程度で、インシュリンと食べ物を確保することが大事です。
  • うちの場合は、離れて住んでいるので、備蓄はしています。子供に必ず持っていくように言っているので、あわてて持っていかないというのがあるのが親としては心配です。(うちの場合)低血糖は自分でわかるので、チップは余り要りません。災害時は名古屋までどうやっていこうかと思いますが、自分のところが同じように壊れていた場合、近くのかかっている医師の所へ走りなさいといっていますが、医師のところが被災しているということは想定していません。
  • 食べ物をセットでもたないといけないですね。
  • ハイチュウは持たせています。1日はもつのでしょうが、次の日、その次の日というのはどうでしょうか。
  • うちの場合は、会社に行っていて被災した場合ですが、子どもがどういった状態でいるのかわからないので、インシュリンとカロリーメイト、補食はもっているのですが、ルートを見直す、災害時に集合する場所、ともかく1型のことが気がかりは気がかりです。1日、2日はもっているのですが、食べ物はなにがいいでしょうか。
  • (医師)カロリーメイトはかさばらなくていいのではないでしょうか。一晩たてば食料とかとどくのではないでしょうか。
  • いままでの議論の中で薬局の人は、処方箋がなければ薬が渡せないと言います。先生の所へかかりつけではない患者が来た場合、どういった対応になりますか。
  • (医師)医師であれば当然対応しますが、薬局の場合ですが、法律がないのであれば出せないでしょうね。行政のお墨付きがないとできないでしょう。
  • 厚生労働省の通知では災害時は処方箋がなくても販売してもよいとなっているのですが薬局では出せないと言います。
  • 出せないのではなくて、慎重になります。処方箋なしというのは大変慎重になります。やはり、処方箋がなければという意識があるのでしょう。どうしてもとなれば、保健所に相談してだすのかなあと思いますが、病院で処方箋をもらって薬を出すという原則とは違うことには心理的な抵抗があるでしょう。
  • そうすると、心理的抵抗を取っ払う手だてが必要です。
  • 薬剤師だと、そうですね、お薬手帳というのがあります。どこで処方をもらって、というのが書いてあります。全国の薬局で、こういったものを見せられると安心はするでしょう。出さないとは言わないと思います。
  • 出すという担保が欲しいわけです。
  • 準備してくださいということですが。
  • 絶対出すという担保が欲しいのです。
  • (三重県)しかし、薬局でもらうというのは従です。主は医療機関で診てもらって出すというのが基本です。
  • (医師)病院では院外処方が主なので、みんなが殺到すると在庫では足りません。処方箋を出して、薬局に行ってくださいとなります。厚生労働省の通知をなかなかしらないようですから、災害時の対応と言うことで薬局に配布していただければいいでしょう。
  • (三重県)薬局には冊子で渡していますが、分厚いので読んでいるのかはわかりません。
  • 箇条書きにしないとだめでしょう。
  • だから、このまえから薬剤師会の人が来ているので、その辺の対応がなされるでしょう。
  • 薬剤師会でもそういったマニュアルが作成中ということなので、そこに働きかけることが必要です。
  • どこかの医院から、インシュリンをもらっているというのはわかります。電話が通じているのであれば、確認して、相談して、出せるのではないかと思います。一つだけ思ったのは、インシュリンがないということは、常にもらっている医療機関にいけない、通い慣れていない医療機関にいかないといけない、そういった場合、どうやってインシュリンをもらうのかということが難しいのだと思います。それをどうするかというのがあります。
  • 難しいというのは、精神的にでしょうか。
  • そうですね、
  • どこにその医療機関があるのかということを把握するのも難しいですね。通常のルートを踏めないときです。
  • (医師)救護班は遅くとも3日後にくるでしょうか。日赤の救護班はインシュリンをもっていますか。
  • 日赤にはありません。
  • (医師)日本赤十字社は、拠点に来るでしょうが、外科的な対応が優先されて、内科的なものは2番目になります。
  • (三重県)最近、日赤は国内の大規模地震災害時を想定した国内型緊急対応ユニットを導入し、新潟地震でも活動したと思いますが、その医薬品セットには速効型インシュリンが含まれています。しかし、それ以外は持っていっていないと思います。
  • (医師)第2次の救護班は精神的なケアも対応するのですが、第1次にインシュリンがないと厳しいですね。次の班に必ず持ってきてくださいと言うしかないですね。救護班の今の話だと、なんとか救護班に頼み込んでもってきてもらう、その後は体を動かさずに寝ているしかないでしょう。
  • インシュリンの融通はできないでしょうか。
  • インシュリンはそう何種類もないので、印を見て判断するしかないです。
  • さっきの県の方の話では、医療機関でもらうのが主だということですが、病院は院外処方で在庫があまりないということです。医療機関でもらうのか、薬局でもらうのか、心配になったのですが。
  • (三重県)だから、医療機関で処方箋をもらって、薬局でもらってくださいという手順の話です。
  • (医師)処方箋はどんどん書きます。
  • それは平時から書いておけませんか。
  • 有効期間があるので、できません。
  • 処方箋のコピーはどうでしょうか。
  • それは信用の資料です。
  • (三重県)薬局では、災害時はこれからの部分です。普段、処方せんのない販売はしないよう強く指導しているし、違法ですので、かなり例外的な部分です。したがって、薬局の抵抗感は強いです。
  • 改めて(災害時におけるインスリン入手の優先順位を)確認をさせていただいたのですが、ともかく医師にかかるのがベストだ、ということですね。通常受診していない医師からでも処方箋を出してもらうために、お薬手帳とか渡せるのであればいいですね。日赤、救護班でも出せますか。
  • 基本的には、薬局が開いていれば、病院はやっています。
  • みんな助けあってということがありますから、(処方箋なしのインスリン手配を)やってはくれますが、強い指導があるので、心の障壁を乗り越えるために患者側からアピールが必要ですね。災害時でも処方箋をもらうのがベストで、(処方箋を入手できない場合でも)過去の医療記録を見せる、厚生労働省の通知があるからという薬剤師を安心させるものが必要と言うことですね。自己アピールできる処方箋のコピーとかお薬手帳とかもです。
  • 次回マニュアルの原案をつくって、12月、1月と進めていきたいとおもいます。
  • 検討会のすすめ方ですが、現状の各班で2時間ずつ、全員で通しで4時間とか意見はあります。その他として2時間、2時間、+共通の時間とかそういった提案がありました。やはり、事務局としては4時間は厳しいので、現状の時間編成で、希望者はどちらにもどうぞというかたちでやっていきたいと思います。参加の時間帯は、支援班は昼間、家族は土日か平日夜という希望が多いですから、今の形でやらしてください。出来るだけ早く、議事録をだすように努力をしていきます。あと、次回ですが12月です。医師の方も来られていますし、保健所の所長さんが入られていますので、こういった方々の都合を優先して決めていきたいと思います。
  • 最後にチラシを配りましたが、日本IDDMネットワークでは東京で、1月28、29日に全国フォーラムを開催します。IDDMへの多様な選択肢を示すということで関係者には非常に有益だと思いますし、29日には災害関連の分科会を開催しますので、是非ご参加ください。また、来年度は三重県でこの災害の件をテーマに全国シンポジウムを開催したいと思っていますので、三重つぼみの会のご協力もお願いしたいと思います。