1型糖尿病に関わる診療報酬の改訂
2004年05月15日
2004年4月1日より1型糖尿病に関わる医療費(診療報酬)の一部が改訂されました。詳細は省略しますが、今回の最も大きな変更点は、「注入器(注射器)」に関わる部分です。正確には「在宅自己注射指導管理料の注入器加算」の部分です。
これまでほとんどの医療機関では注射器の本体の処方(供与、渡すこと)が無くても、カートリッジタイプのインスリン注射を行っている患者に対して加算点数として毎月300点が計上されていました(ただしカートリッジ交換タイプのものに限る)。1点は10円に換算しますので、すなわち医療費全体として毎月3000円が加算されていたことになるのですが、4月1日からは注射器を渡した月しか加算できないことになります。したがって注射器を渡されない月は、これまでより3000円安くなります。実際にはその3割が自己負担分ですので、支払いは1000円ほどの減額ですが、決して「小さい」額ではないでしょう。 小児慢性特定疾患治療研究事業(以下「小慢」)に自己負担が導入されるこ とが明らかになった現在の状況では、このような減額は少しでも効果があると思います。ましてや小慢対象(18歳)以上の年令の患者には直接的な効果になります。単純計算で、1年間で1万円を越える減額となるからです。 もう少し詳細に説明しますと、これまでの表現は「注入器又は間歇注入シリンジポンプを使用した場合は、所定の点数に300点または1000点を加算する」でしたが、4月1日からは「注入器を処方した場合又は間歇注入シリンジポンプを使用した場合は、所定の点数に300点または1000点を加算する」となり、注入器の部分が「使用した」から「処方した」に表現が変わります。このことが上記の意味(根拠)です。ちなみに「間歇注入シリンジポンプ」とはインスリンポンプのことです。 上記情報の詳細は厚生労働省ホームページの下記URLを参照ください。 http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/02/tp0219-1/dl/2-1-2-2.pdf よって、4月からの毎月の医療費は、注射器本体をもらわない月では(もちろん針やインスリン製剤そのものはもらいますが)医療費が安くなることになります。 ただ、ここで医療機関への周知の徹底が必要になります。このことは医師会 や社会保険庁(行政)などからいろいろな手段で通知されるはずですが、実際 はどのようになるでしょうか。このようなことは患者側もよく勉強することが 大切だと思います。窓口での医療費の金額に疑問を感じたら、請求明細(レセプト)を求め、自分で理解することも大切です。 |
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