日本IDDMネットワークは、2026年7月30日、神戸大学にて、「神戸大学研究室訪問イベント~移植用膵島の量産化AIロボットができるまで~」を開催しました。
今回の研究室訪問は、子どもたちに研究を身近に感じてもらう第一部と、1型糖尿病の患者・家族・支援者の皆さまに向けて、研究内容をより詳しくお伝えする第二部の二部構成で開催しました。
当日は全国から29名の皆さまにご参加いただき、研究室では、バイオ人工膵島を顕微鏡で直接のぞいてみるなど、最前線の研究を間近で知る貴重な機会となりました。

第一部 子どもたちと「移植用膵島の量産化AIスマートロボット」を知る
第一部では、浅利先生より「移植用膵島の量産化AIスマートロボット」をテーマに、子どもたちにも分かりやすくご講演いただきました。
講演では、
・膵臓とは
・1型糖尿病ってどんな病気?
・膵島移植とは?
・バイオ人工膵島移植とは?
・AIスマートロボットとは?
について、分かりやすくご説明いただきました。子どもたちは、「膵臓の大きさはバナナ1本分」、バイオ人工膵島のカプセルは、昆布などの海藻に含まれるアルギン酸でできているなど、ワークシートを使いながらしっかり学んでいました。

第二部 バイオ人工膵島移植の研究をより詳しく知る
第二部では、「バイオ人工膵島移植の実現に向けて」をテーマに、第一部よりも詳しく研究内容をご講演いただきました。
講演では、
・膵島移植の仕組み
・現在の膵島移植が抱える課題
・医療用ブタ由来の膵島を用いた「バイオ人工膵島」
・免疫抑制剤を必要としない移植を目指す研究
・AIスマートロボットによる膵島分離の自動化・自律化
・バイオ人工膵島の製造方法
・実用化、臨床応用に向けた今後の展望
などについてご説明いただきました。
現在の膵島移植には、臓器提供者の不足や免疫抑制剤の使用、膵島分離に熟練した技術が必要であることなど、さまざまな課題があります。
神戸大学では、医療用ブタ由来の膵島を免疫隔離カプセルで包む技術や、これまで人の手で行われてきた膵島分離をAIスマートロボットによって自動化・自律化する技術などを組み合わせ、多くの患者に安定して届けることのできるバイオ人工膵島の実現を目指して研究が進められています。
研究の現在地から今後の臨床応用まで詳しく伺うことで、「治る未来」に向けて、どのような課題を一つひとつ乗り越えようとしているのかを知る機会となりました。
いよいよ研究室の見学へ!
第一部・第二部ともに、講演終了後は、研究室見学を行いました。
参加者の皆さまには、実際に研究が行われている設備や、移植用膵島の量産化を目指して開発が進められているAIスマートロボットを間近見学しました。
松本先生の膵島を分離させる動きを学習したロボットを、松本先生の実際の動きと比較してみたり、培養したバイオ人工膵島を顕微鏡でのぞいたり、免疫隔離カプセル作成の実演体験をすることができました。免疫隔離カプセル の作成では、手袋とゴーグルをつけて、参加者の方が好きな色を選び「どの色のカプセルが上手か」など盛り上がりました。
普段は立ち入ることのできない研究現場を見学できる貴重な機会となり、研究が着実に進んでいることを実感できる時間となりました。
神の手と呼ばれる松本先生の膵島分離の動きを行うAIスマートロボット
顕微鏡でのぞいた培養したバイオ人工膵島
免疫隔離カプセルをつくる1型糖尿病患児
ご参加者の皆様の声
イベント後のアンケートでは、
「困っている1型糖尿病の患者当事者のために、このように情熱をもって研究してくださる方々がいらっしゃることに感動しました」
「講演がとてもわかりやすかったです。帰ってから、息子が姉に今日の研究を説明していました(姉は医学生で糖尿病科に行くかも!?)。講演と研究室で見たことを的確に説明できていました。それもわかりやすい講演と体験のおかげだと思います。絶対にこのプロジェクトが成功しますように、切に祈っております。大学院の先生方も含め先生方がとてもお優しかったのも印象に残りました。今日はありがとうございました。」
「とても面白いイベントでした!先生方から直接お話を伺い、また研究室やロボットを直接見る事ができ『あぁこんなに多くの皆様が頑張って病気を治すところに向かっていってくださっているんだな…』と、本当に実感しました。ありがとうございます。」
などの声が寄せられました。
最後に

今回のイベントを通して、子どもから大人まで多くの方に研究の最前線に触れていただき、研究者との交流を通じて、1型糖尿病が「治る病気」となる未来をより身近に感じていただけたのではないかと思います。
日本IDDMネットワークでは、これからも患者・家族・支援者と研究者をつなぐ機会を大切にしながら、1型糖尿病の根治研究を応援してまいります。
松本先生、浅利先生をはじめ、神戸大学の先生方、ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
今後も、一日でも早く1型糖尿病が「治る病気」となる未来を目指し、先生たちは研究を進められています。温かいご支援をお願いいたします。
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