【第9回】松本慎一先生によるバイオ人工膵島移植の進捗状況

2025年11月21日

 日本でのバイオ人工膵島移植実現に向けて、その進捗状況を、この分野の第一人者である松本慎一先生(日本初の膵島移植医で医療用ブタ開発のために自ら法人まで立ち上げられました)より毎月報告していただいています。
 第9回は、バイオ人工膵島移植を受けた患者のアンケート調査結果についてです。
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バイオ人工膵島移植の進捗(第9回)
松本慎一

10月22日から25日まで、東京で第18回Cell Transplant and Retentive Medicine Societyの国際学会があり、オープニング・キーノートレクチャーとして、“Islet Transplantation from Allogeneic to Xenogeneic”というタイトルで1時間講演をしました。
異種膵島移植の理解を世界から得られるためには、こういった大きな国際学会で発表し、世界の研究者に向けて発表することは重要なプロセスと考えています。
この講演の中で、アルゼンチンで10年以上前に医療用ブタの膵島を用いたバイオ人工膵島移植を受けた患者さんのアンケート調査の結果を発表しました。
移植後10年以上たった今でも、移植前と比べるとHbA1cが低いとか、重症低血糖や入院を要する高血糖がいまだに少ないというデータを示しましたが、それよりも、患者さんの6割以上が移植を受けることで生命の危機から解放されたという感想や、8割くらいの患者さんが第三者にも勧めたいといった意見について、海外の研究者はより関心を持っていました。
一方で、今回の発表で一番の話題になったことは、米国イリノイ大学で開始されたバイオ人工膵島移植の治験(国に治療法として認めてもらう為の人への試験)でした。
世界での進歩や多くの研究者の理解を深めることは、日本でのバイオ人工膵島移植の推進にも必ず役に立ちます。
また、一般社団法人医療用ブタ開発機構の活動として、医療用ブタ施設の最終確認をしてきました。衛生度の確認と、微修正の議論、費用の検討など、確実に日本の医療用ブタ開発も進んでいます。
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▼第9回報告記事はこちら
https://press-iddm.net/diabetes/6709/

バイオ人工膵島移植の研究を続ける国立健康危機管理機構の霜田雅之先生にも、毎月報告していただいております。合わせてご覧ください。
▼霜田先生からの最新報告はこちら
https://press-iddm.net/diabetes/iddm/6703/

これからも、希望する全ての患者がバイオ人工膵島移植を受けられる日を実現するために、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
▼「移植サポーター」1型糖尿病“根治”に向けてご支援ください
https://readyfor.jp/projects/japanprotocol2025

▼「AIスマートロボットでかなえる 1型糖尿病が治る日」をふるさと納税でご支援ください。
https://furusato-forgood.jp/projects/000353

▼”バイオ人工膵島量産化2035”募金のお願い
https://japan-iddm.net/support/fund/mp100/