点鼻グルカゴン「バクスミー®」の教職員による学校などでの使用(投与)が認められました
2024年01月29日このたび、学校などの教育現場での重症低血糖発作時において「グルカゴン点鼻粉末剤(バクスミー®)」(日本イーライリリー株式会社)の教職員などによる投与が認められました。
本情報は2024年1月25日付けで文部科学省、子ども家庭庁から都道府県、市町村などに向けて「事務連絡」として通知されています。
ご存知の通り、インスリン補充の副作用である「重症低血糖」においてはその対処は緊急を要します。
そこでブドウ糖などの補食が間に合わない場合にはグルカゴン製剤を使用しますが、2020年10月から点鼻薬のグルカゴン製剤「バクスミー® 」が発売され、従来の注射薬に比べて圧倒的に使いやすくなりました。
バクスミー®の使い方などについては日本イーライリリー株式会社の下記ウェブサイトで情報提供されていますのでご参照ください。
https://www.diabetes.co.jp/consumer/usage-baqsimi/teacher
私たちはこのバクスミー®が患者・家族以外の教職員により教育現場で投与可能になることを、この3年間行政に向けて要望してまいりましたが、今回の事務連絡はそれが実現したことを示すものです。
本事務連絡によると、教職員によるバクスミー®の投与において満たすべき4条件(下記)が示されていますが、これらは予め主治医や学校との情報共有しておくことで十分対応可能です。
この行為は緊急やむを得ない措置として行われるもので、この4条件を満たす場合は医師法違反にならないことが示されました。
詳細は本事務連絡をご覧いただき、地元の保健福祉関連部署、教育委員会などにご確認ください。
■バクスミー®使用のための条件(事務連絡より転記)
(1) 当該児童等及びその保護者が、事前に医師から、次の点に関して書面で指示を受けていること。
・学校等においてやむを得ずグルカゴン点鼻粉末剤を使用する必要性が認められる児童等であること
・グルカゴン点鼻粉末剤の使用の際の留意事項
(2) 当該児童等及びその保護者が、学校等に対して、やむを得ない場合には当該児童等にグルカゴン点鼻粉末剤を使用することについて、具体的に依頼 (医師から受けたグルカゴン点鼻粉末剤の使用の際の留意事項に関する書面を渡して説明しておくこと等を含む。)していること。
(3) 当該児童等を担当する教職員等が、次の点に留意してグルカゴン点鼻粉末剤を使用すること。
・当該児童等がやむを得ずグルカゴン点鼻粉末剤を使用することが認められる児童等本人であることを改めて確認すること
・グルカゴン点鼻粉末剤の使用の際の留意事項に関する書面の記載事項を遵守すること
(4)当該児童等の保護者又は教職員等は、グルカゴン点鼻粉末剤を使用した後、当該児童等を必ず医療機関で受診させること。