新年のご挨拶

2018年01月01日

新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。
 年頭にあたり、今年への期待感と私たちの意気込みをお示しします。

 昨年は、前年から継続してきた「バイオ人工膵島移植」というブタ膵島を用いた根治治療の研究への1.5億円の助成を6月(※1)に全て完了し、いよいよ本格的に医療用ブタの飼育から、膵島の取り出し、免疫隔離したカプセル化、ヒトへの移植までの実用化に向けた研究開発が大きく動き出しました。
 これらの助成の大きな原動力・財源は佐賀県庁への「ふるさと納税」であり、あらためてこの場をお借りして佐賀県への謝意を申し上げます。昨年はさらに1型糖尿病の「予防」に向けたワクチン研究への資金調達もこのふるさと納税を通じて行い、その目標も達成することができました。

 患者・家族への支援としては、発症直後の最もつらい状況にいる患者・家族の方々を救う「希望のバッグ」プロジェクトも開始から3年を経て、累計で約2000個を送付することができました。私たちはこの経験を生かして、「インスリンが必要な2型糖尿病患者」に向けた支援活動も進めることにいたしました。

 また、昨年秋には患者に低血糖を知らせてくれる「低血糖アラート犬」の育成プロジェクトも皆さんのご支援によりスタートすることができませした。現在、認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン様と協働して、保護犬の中から候補犬を選び、育成を進めているところです。順調に行けば戌年である本年中に本格的な嗅覚トレーニングに移行できる予定ですので、続報をお待ちください。

 今年も患者・家族の皆さん含め、様々な分野の方々のご参加、ご支援をいただき、1型糖尿病の認知向上とともに、究極のゴールであるこの疾患の治療や予防含めた「根絶」を目指す私たちの活動をより一層加速化してまいりたいと思います。

 最後に、今年の6月23日には東京で「日本IDDMネットワーク サイエンスフォーラム」を開催いたします。その場では私たちが研究費を助成した皆さんからバイオ人工膵島移植をはじめ様々な根治研究をご紹介いただき、また患者・家族同士で交流して元気になっていただく機会を提供いたします。皆さんと東京でお会いできることを楽しみにしております。

 本年もご支援とご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク

理事長 井上 龍夫