政策要望

日本IDDMネットワークでは、毎日のインスリン補充が欠かせない患者とその家族一人ひとりが希望をもって生きられる社会の実現を目指し、以下の政策要望を行っています。

20歳以上の患者支援実現について

現状

1型糖尿病患者への医療費の公的支援制度(医療費助成)は、「小児慢性特定疾病」制度により、20歳未満までは一定の支援を受けられる。しかし、20歳以降の患者に対する公的な医療費助成制度はない。

要望内容

  1. 「指定難病」としての「1型糖尿病」を認定
  2. 当面の対応策として小児慢性特定疾病医療費助成の年齢上限を25歳へ引き上げ

進捗状況と今後の対応

  1. 「指定難病」への認定
    1型糖尿病の指定難病認定については、厚生労働省の第28回~第30回指定難病検討委員会(2018年12月~2019年1月)で検討されたが、1型糖尿病とインスリンが枯渇した2型糖尿病の明確な鑑別が示されていないとの理由で認定には至らなかった。引き続き専門家との連携も取りながら、指定難病への認定を要望していく。
  2. 当面の対応策として小児慢性特定疾病医療費助成の対象年齢を25歳へ引き上げるよう引き続き要望していく。

・要望先:加藤勝信厚生労働大臣
・要望書:20歳以上の1型糖尿病患者への医療費助成についての要望
・提出日(最新):2023年6月30日

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20歳未満の患者とその家族の支援について

現状

20歳未満の糖尿病患者への経済的支援は、医療費支援制度である「小児慢性特定疾病医療費助成」(小慢)と、児童の福祉増進を図る「特別児童扶養手当」(特児)があるが、両者の認知度に大きな差があり、利用度にも大きな差がある。

要望内容

異なる申請窓口となっている、特別児童扶養手当と小児慢性特定疾病の医療費助成の申請窓口一元化を求める。

進捗状況と今後の対応

  • 2022年4月8日付で厚生労働省難病対策課および障害保健福祉部企画課から各都道府県・指定都市などに宛て、小慢の申請時に特児などの手当て制度の周知を求める事務連絡が発出された。
  • 申請窓口の一元化については引き続き要望していく。

・要望先:武見敬三厚生労働大臣
・要望書:特別児童扶養手当と小児慢性特定疾病の申請窓口の一元化についての要望
・提出日(最新):2024年6月30日

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新たな医療技術、医薬品、医療機器の承認の迅速化と患者医療費負担軽減について

現状

インスリン補充に関連する医療機器(デバイス)は日々進歩しているが、そのデバイスの使用にかかる医療費(診療報酬)の設定が、そのデバイスの特徴を十分反映されていないものになっている。

要望内容

持続血糖測定器(CGM)やインスリンポンプの処方期間の延長、使用実態に合わせた処方数の設定、処方する医療機関への様々な条件についてその緩和などを求める。

進捗状況と今後の対応

診療報酬の改定時期に合わせて、引き続き要望していく。
・要望先:武見敬三厚生労働大臣
・要望書:インスリンポンプおよび持続血糖測定器に係る診療報酬についての要望
・提出日(最新):2024年6月30日

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・要望先:武見敬三厚生労働大臣
・要望書:持続血糖測定器(CGM)に関わる診療報酬についての要望
・提出日(最新):2024年6月30日

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医療に関する規制緩和について

現状

  1. インスリン補充の副作用である「重症低血糖」対応への教育現場での対処として、学校の教職員による点鼻グルカゴン製剤(バクスミー®)の投与が緊急やむを得ない措置として実施が可能となったが、救急救命士による使用は認められていない。
    ※詳細はこちらをご覧ください。
  2. 医療機器や医薬品関連企業から患者・家族への直接的な情報提供は原則禁止されている。

要望内容

  1. インスリン補充を行っている糖尿病患者がその副作用である重症低血糖による意識障害を起こしている場合は、命の危険性という緊急対応ということで、現場に駆け付けた救急救命士や学校の教職員に低血糖回復のための薬剤(グルカゴン製剤)使用を認めてほしい。
  2. 私たちのような一生病に付き合っていかなくてはならない患者・家族が、企業からの製品情報の提供や情報交換を行うことについて、特に阻害要因となっている「広告の該当性」3要件解釈の中の「顧客を誘引する意図」及び「一般人」を明確にされ、患者・家族が必要な医薬品等の情報入手が可能になるよう、関連法令等の整備、関連通知の発出などの対応をお願いする。

進捗状況と今後の対応

  1. 「重症低血糖」対応への教育現場での対処
    2020年10月 点鼻薬(粉末剤)のグルカゴン製剤が発売され、従来の注射薬に比べて格段に使用が容易になった。これを根拠に、2020年度から要望を開始。
    2024年1月 2024年1月25日付の文部科学省および子ども家庭庁から都道府県などへの事務連絡により、教職員による本点鼻薬の使用が可能であることが示された。一方で、救急救命士による使用は認められていないのでその点については引き続き要望していく。
  2. 医療機器や医薬品関連企業から患者・家族への直接的な情報提供の原則禁止
    2024年2月に新たに要望書を提出した。

・要望先:
  1.武見敬三厚生労働大臣
  2.武見敬三厚生労働大臣
・要望書:
  1.救急救命士の重症低血糖対応についての要望
  2.製薬企業・医療機器関連企業からの患者・家族に向けた情報提供についての要望【新規】
・提出日(最新):
  1. 2024年6月30日
  2. 2024年2月 6日

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介護職員によるインスリン療法の実施について

現状

糖尿病患者の高齢化に伴い、患者の介護施設への入所や介護を受ける者が増加している。その中には認知症を患い、インスリン療法(自己注射など)を自分で実施できなくなる患者も増えている。しかしながら、インスリン療法は医療行為であり、医療者でない介護職員はその介助が法律で禁止されており、その結果として施設に入れない者や退所せざるを得ない者も出ている。

要望内容

介護施設に入所中のインスリン補充療法を行っている糖尿病患者や在宅療養中の糖尿病患者に対して、介護職員や訪問介護員などがインスリン療法の介助を行うことを認めてほしい。

進捗状況と今後の対応

2021年12月 2021年に全国有料老人ホーム協会との協働で、この問題の実態把握のためにアンケート調査を行ったところインスリン自己注射の困難な入居者あるいは入居希望者に対しては入居契約を解除する、あるいは入居を断ると回答した施設は全体の22%に上るという状況であった。
この結果を踏まえ、2021年12月に要望書を提出したがその後の進展はない。引き続き要望をしていく。
2024年6月 2024年6月21日に閣議決定された「規制改革実施計画」において、介護職員による医療行為について「一定の要件の下、介護職員が実施可能と考えられる行為の明確化についてその可否を含めて検討し、結論を得る。その上で、厚生労働省は、介護職員が実施可能とする行為があるとの結論を得た場合には、一定の要件の下、介護職員が実施可能とする行為の実現のために必要な法令、研修体系等について検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる。」とされた。

・要望先:武見敬三厚生労働大臣
・要望書:介護施設などでの介護職員によるインスリン療法の実施についての要望
・提出日(最新):2024年6月30日

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