「わたし治るの?」って聞かれたとき、
「治るよ」って言ってあげられなかった。
ある日を境に、娘が
毎日注射を打つことになりました。
原因もわからず、発症したその日から毎日、一生、生きるためにインスリン注射を打たなければならない、その病名は「1型糖尿病」。
小さな体に、毎日4、5回の注射。はじめはこわがって、注射なんて絶対打ちたくないと泣き叫んでいた娘。
それでも、小さな手を震わせながらやっとの思いで一人で注射を打ち、「自分でできたよ。」と笑顔で報告してくれたときは、こどもの強さに私が背中を押されました。
そんなある日、突然聞かれた一言。
「わたし治るの?」
「治るよ」と返事してあげたいけれど、
「今はまだ、治らないんだ」と答えるしかありませんでした。
「一生治らない」それをわが子に、
大切な家族に伝えなくてはいけない。
そんな辛い思いをする人はこれ以上増えなくていい。
もしわが子が「1型糖尿病」と宣告されたとき、「でも治るよ」と言うことができたら、私たち患者家族はどれほど救われることでしょう。