自宅や私設の避難場所など、公設避難所以外で避難生活を送るなら

病気のことやプライバシーの気兼ねから、公設の避難所以外で避難生活を送ることもあるかもしれません。しかし、そう言う場合は残念ながら情報や物資などの入手が後回しにされてしまうことは覚悟してください。災害時には行政機能もそれを担う行政職員も被災します。一人ひとりきめ細かい行政サービスを行うことは不可能です。

また、課題は行政だけではなく、被災者同士の不公平感も根底にあります。

ほかにもペットのことや電話の使い方、消灯時間や掃除など、避難者自身がとても厳しいルールを自分たちに課していたとのことです。

これは何を意味しているかというと、避難所に入った人から見ると、避難所に来ていないあなたは被害を受けなかった人に映り、自分たちが避難所で不自由な生活を強いられているのに自宅で生活できているあなたたちはプライバシーもあって思い通りに生活できるから不公平だ、という印象を抱いてしまうということです。

無論そんなことはなく大変な状況なのですが、お互いに被災して気が立っている状態ですから、避難所に避難せざるを得なかった人たちにあなたの状況を理解してもらうことは至難です。

行政も機能が回復してくれば公設の避難所以外でも追加の避難所指定をして救援物資が届くよう手配してくれるようになりますが、そうなるまでにはかなり時間が必要です。

みなさんの思いとは異なるかもしれませんが、安定した支援を望むなら、ある程度の不自由やストレスを我慢してでも公設の避難所に行くことをおすすめします。どうしても公設避難所での生活が困難な場合は、避難所の担当である行政職員にだけは避難所に入れない正しい理由を告げた上で「○○に避難している。」ことを伝えるようにしてください。私設の避難場所は自己申告しないと行政になかなか気付いてもらえず、支援が届くようになるまでにかかる時間が長くなります。


日本IDDMネットワーク 「1型糖尿病[IDDM]お役立ちマニュアル」PART 3 −災害対応編− より