避難所での食事

避難所で出される食事はパンやお弁当など炭水化物の多いものになりがちです。しかも災害発生直後は食事や水の供給が安定せず、次はいつ届くかわからない、といわれることもあるでしょう。届いたものを多くの人で分け合う必要もあり、食べる量も一定しません。この時期はみんなで我慢して乗り越えるしかありません。いつもよりインスリンの注射(注入)量を少なめにして、食べた分と見合うだけのインスリンを食後に打つ、ということも必要になってきます。

流通が徐々に回復してくると、今度は逆に食事が多めに届くようになってきます(成人男性の食事量を基準にしたお弁当が届くようになっているため)。気兼ねするかもしれませんが、体調管理のためには食べ過ぎは良くありませんから、必要量のみ食べて余分は残すようにしてください。しかし、大規模な被害を受けるとごみ処理もできなくなり、「なるべくごみを出さないでください」という呼びかけがなされます。食べ残しもゴミですから食事を残すことが大変ストレスになってきます。そんな時はひとりで1食もらうのではなく、家族や友人などグループで○食分、という注文をすることで、食べ残しを減らすことができます。ごみを減らし、気兼ねをしなくても済むようにみなさんそれぞれで工夫してください。

避難生活が長くなる場合、災害救助法では避難所に簡単な炊事施設を作っても良いことになっています。避難所にできる自治組織の人たちと協力して、出来合いのお弁当などを届けてもらうという形から、食材のみ手配して、食事は自分たちで作るように切り替えることで、温かい食事を必要な量だけ食べられるようになります。


日本IDDMネットワーク 「1型糖尿病[IDDM]お役立ちマニュアル」PART 3 −災害対応編− より