■今研究されている先端医療

「治らない」から「治る」に向けた研究の最前線
―1型糖尿病の根治療法をめざすさまざまな研究開発―

現在、1型糖尿病の大半の方は、インスリンを注射によって補充する治療をおこなっています。インスリン補充療法は、体内で作り出せなくなったインスリンを外から補充する治療法で、インスリン補充療法を続けても残念ながら糖尿病は治りません。さまざまなインスリン注射が登場し、一昔前よりインスリン補充療法は進歩しましたが、まだまだ低血糖などの心配もあり、現在、より安定した血糖コントロールのための、さまざまな治療法の開発が進められています。

ここでは、インスリン注射の先にある新しいインスリン補充療法と、そのさらに先にある、1型糖尿病を治す治療、すなわち、再び体内でインスリンをつくりだすことができるようにするための治療法の研究・開発について、順にご紹介します。研究の先にある医療の姿をイメージしてください。

1. インスリンを体外から補充する治療法

1) 機械式注入器によるインスリン補充

インスリン補充は、インスリン製剤と注入器が基本です。インスリン製剤の進歩により、一昔前にくらべて自然なインスリン分泌に近いパターンで補充が可能になりました。それは、人工的に作用時間を調整したインスリンアナログ製剤が登場し、基礎分泌と追加分泌に対応した作用パターンのインスリン製剤(持効型と超速効型)が開発されたおかげです。

補充のための注入器は、手で注入する注射器が主流ですが、基礎分泌の分を機械により自動注入するインスリンポンプが日本でも少しずつ普及し始めています。追加分泌分はまだ患者が量とタイミングをその都度決めてボタンを押して注入するので、半自動注入といえるでしょう。

2) インスリン補充量の調節・決定

インスリンの補充療法でもう一つ大切なことは、補充するインスリン量の決定です。食事のときの追加インスリン量は、2つに分けて考えます。一つは、食物の処理のため、もう一つはそのときの血糖値の補正(調整)です。食物の処理のためのインスリン量は食事中の炭水化物量で推定します。その方法がカーボカウントです。 

一方、血糖値補正用のインスリン量は、現在の血糖値を正確に知ることが必要です。そのため、血糖自己測定(SMBG)をおこない必要量を決めます。
このSMBGを発展させ、連続的に測定する機械が持続血糖モニター(CGM)です。ほぼリアルタイムで現在の血糖値がわかり、さらに低血糖を予告してくれるアラームがついており、患者にとっては大きな安心材料でもあります。

3) インスリン補充の完全自動化
究極のインスリン補充療法が、人工膵島です。人工膵島には、完全に機械で構成される機械式人工膵島と、生体の膵島(β細胞)を用いるバイオ人工膵島があります。

2. インスリンを体内で産生する治療法

1) 他の人から膵臓・細胞の提供を受ける治療

再び、インスリンを自分の体内で作り出す、まさに「根治」につながる治療の代表が移植医療でしょう。
1型糖尿病の移植医療として、現在すでに確立されているのが、膵臓移植です。日本では、臓器提供者(ドナー)が極端に少なく、移植の実施数が少ないのですが、唯一、確立された根治治療です。

膵臓の機能のうち、インスリン分泌をおこなう膵島は膵臓の中のわずかな部分です。そのため、膵臓をまるごと移植するよりも、インスリン分泌細胞だけを取り出して移植するほうが移植を受ける患者(レシピエント)への負担がはるかに少なくなります。その方法が、膵島移植です。2010年8月現在、膵島移植は一旦停止されている状況ですが、まもなく再開される予定です。今後、臨床研究から、保険適用されることが望まれます。

2) 自分の細胞を体外で再生し、移植する治療

最近、注目されているのが再生医療研究です。患者自身の細胞、あるいは遺伝情報が入っている細胞核を利用し、その患者自身に移植しても拒絶反応が起こらない細胞、組織、そして臓器などを新たに作り出し、患者の体内に戻すという研究です。

iPS細胞から膵臓のβ(ベータ)細胞をつくりだす研究血管系を含めた立体的な組織を作り出す研究膵臓をまるごと作り出す研究などがおこなわれています。
まだ、実用化は少し先になりそうですが、安全性とともに技術的にこの再生医療が確立すれば、免疫拒絶やドナー不足の問題なしに移植がおこなえるようになるでしょう。

3) 自分の細胞を体内で再生・新生する治療

一方、細胞を体外に取り出すこともなく、移植もおこなわずに、糖尿病を治療する研究もおこなわれています。
その一つの、遺伝子治療とは、いくつかの遺伝子を特定の細胞に導入することで、その遺伝子がもつ機能を最大限にいかして病気を治療するという治療法です。
1型糖尿病に対する遺伝子治療には、「糖尿病を治す治療」と「糖尿病の合併症を治す治療」が研究されています。
もう一つの研究は、神経ネットワークの刺激により体内で膵β細胞を再生する研究です。
こちらの治療も、実用化は少し先になりそうですが、安全性とともに技術的に確立すれば、細胞を体外に取り出すこともなく、移植もおこなわずに、糖尿病を治療することが可能になると期待されています。
 

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