1型糖尿病「治らない」から「治る」 -"不可能を可能にする"- を応援する100人委員会

1型糖尿病「治らない」から「治る」 -"不可能を可能にする"- を応援する100人委員会

日本IDDMネットワーク法人化10周年を経た2011年1月、NPO、企業 、研究機関等各界の人たちが集い、1型糖尿病「治らない」から「治る」 -“不可能を可能にする"- というこの取組に対してたくさんの人の"参加"を訴える、100人委員会がスタートしました。

IDDMicon 100人委員会 発起人からのメッセージ
IDDMicon 100人委員からのメッセージ

作家 村上龍氏

村上 龍 作家、映画監督

 1922年、世界で最初にインスリン投与が行われました。まだ100年も経っていません。インスリンの補充ができなかった時代には、1型糖尿病は確実に死に至る病気でした。現在、すでに確立されている「すい臓移植」の他に、「膵島移植」や「人工膵島」、さらに「再生医療」「遺伝子治療」などの先端的な研究が進められています。「『治らない』から『治る』へ」という日本IDDMネットワークの指針は、人類の英知の結晶である生命科学への信頼と希望を象徴するものです。
 日本IDDMネットワークでは、「1型糖尿病研究基金」を募っています。この基金へのご協力・ご支援を、多くの人にお願いしたいと思います。この基金は、1型糖尿病の患者さんとご家族への支援にとどまらず、生命科学、および医学への貢献にも寄与するものです。

<Profile>
1952年長崎県出身。1976年『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。著書に『コインロッカー・ベイビーズ』『愛と幻想のファシズム』『五分後の世界』『希望の国のエクソダス』『半島を出よ』など。メールマガジン『JMM』を主宰するなど、文壇以外の世界にも積極的に関わる。

 2012年3月10日(土)に開催した日本IDDMネットワーク法人化10周年記念・1型糖尿病研究基金設立5周年記念シンポジウムでのメッセージです。

山中伸弥氏

山中 伸弥 京都大学 iPS細胞研究所長

 私自身は糖尿病の研究はしていませんが、父が2型糖尿病で「インスリン依存状態」でしたので、とにかくインスリン注射を何とかしたいという思いがあります。そして私が所長を務める京都大学iPS細胞研究所(CiRA=サイラ)のこの10年間の再生医療による臨床応用のターゲットの一つが糖尿病です。ほんとうに糖尿病を何とかしたいと思っています。
 日本IDDMネットワークが「1型糖尿病を治す」ための研究基金を作って研究費を支援されていることは本当に大切ですばらしいことだと思います。そして同時に研究者たちとの接点や交流を持つ活動をされていることも重要なことです。私たち研究者の研究への大きなモチベーションは研究の成果を待っている患者さんがすぐそばにいることを知って、何とか貢献したいという思いなのです。また日夜、新しい治療の開発のためにがんばっている研究者がいるということを患者・家族の皆さんにも知っていただくことで、希望をもっていただければと思います。

<Profile>
1987年神戸大学医学部卒業後、国立大阪病院で臨床研修医。1993年大阪市立大学大学院医学研究科修了。米国グラッドストーン研究所博士研究員などを経て、1999年奈良先端科学技術大学院大学助教授、2003年教授。20004年京都大学再生医科学研究所教授、2008年京都大学物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長。2010年4月から京都大学iPS細胞研究所所長、2012年ノーベル生理学・医学賞受賞。

阪神タイガース岩田稔選手

岩田 稔 阪神タイガース プロ野球選手(投手)

 僕は高校2年生の冬に1型糖尿病と診断されました。病気だと分かった直後は、なぜ、自分がこんな病気にならなければならないのかと自分の人生を恨んだりもしました。しかし、主治医の先生や家族、仲間からの支えもあり、希望が持てるようになりました。
 阪神タイガースからの指名を受けた時は、本当にうれしかったですが、同時に自分の使命のような思いを強く持ちました。それは病気でも健康な人と同じように何でもできることを証明し、みんなの希望になることです。
 同じ1型糖尿病を持つ子供たちへの支援として、日本IDDMネットワークの協力による甲子園球場での子供たちとの交流会と試合観戦招待を行っています。このような活動は、僕にしかできない事なので、僕がプロ野球選手である限り、これからも続けていきたいと思います。
 そして『「治らない」から「治る」へ』という1型糖尿病の根治に向けた研究は、僕も含め大勢の患者さんにとって大きな希望です。しかし、研究にはまだまだ時間も、沢山の費用もかかります。僕は、公式戦での勝利数に応じて日本IDDMネットワークが設立された「1型糖尿病研究基金」へ寄付をしています。皆さんも、ご賛同いただける方は、この1型糖尿病研究基金への寄付をお願いします。

<Profile>
阪神タイガース投手(左投げ) 1983年生まれ。大阪桐蔭高校のエースピッチャーだった高2の冬に1型糖尿病を発症。卒業後に社会人野球のチームに決まりかけていたが病気を理由に取り消され、関西大学に進学。大学での活躍により、2005年のドラフトで希望入団枠制度により阪神へ入団。2008年にプロ初勝利、その年先発投手として10勝を挙げた。2009年には第2回WBC日本代表に選出され、日本の大会2連覇に貢献した。2010年はひじの手術を受け1年間登板はなかったが、2011年に1軍復帰し、先発ローテーションの一角として活躍している。

西川伸一氏

西川 伸一
京都大学名誉教授
特定非営利活動法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン代表理事
元理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター特別顧問

 日本は個人寄付税制が最も進んだ国になりました。折しも、東北地方を襲った大震災を目にした国民に、寄付の精神が生まれたことは間違いありません。あと、税制控除の対象となる公益法人さえ増えてくれば、全く新しい国を作ることが出来ます。1型糖尿病研究基金がその先頭に立って日本を変えることを期待します。

<Profile>
1973年京都大学医学部卒業。京都大学結核胸部疾患研究所で7年医師として31歳まで勤務。その後、基礎医学に転身。1980年ドイツ ケルン大学遺伝学研究所に留学。1987年より熊本大学医学部教授、1993年より京都大学大学院医学研究科、分子遺伝学教授を歴任。2002年京都大学を退職し、理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター副センター長および幹細胞研究グループディレクターを併任。専門は、幹細胞生物学。2013年、あらゆる公職を辞し、JT生命誌研究館顧問及び、NPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン代表理事として新しく出発。JT生命誌研究館では、核酸という「物質」(遺伝子を構成する高分子)が、物質ではない「(遺伝)情報」という性質をいかに発生させたのかを理論的に考えている。一方、NPOでは、様々な患者さん団体と協力して、患者さんがもっと医療の前面で活躍する我が国にしたいと活動を行っている。

エアロビック大村詠一氏

大村 詠一 エアロビック競技者

 私は小学校2年生の冬に1型糖尿病を発症していることが分かりました。「なんで自分だけ」そんな思いで発症した当時、風邪ぐらいしか知らない自分にとって、風邪のように薬では治らない、しかもその薬は経口薬ではなく皮下注射という事実は、受け止めきれない現実でした。しかしながら、家族をはじめ、友人や恩師、様々な方に支えられ、「1型糖尿病は自分の個性の1つ」と考えられるようになりました。
 私は現在「1型糖尿病でも何でもできる」をモットーに大好きな競技エアロビックで世界に挑むことを楽しんでいます。また、自分の経験を活かして小・中学校などの教育機関を中心に講演活動を行い、啓発活動に取り組んでいます。このような活動を通して、患者・家族の皆さんが「1型糖尿病は夢をあきらめるような病気ではない」ことを感じてもらえればと思っています。
 そして、『2025年に1型糖尿病が「治らない」から「治る」へ』という大きな目標に向けて、研究者を支援する「1型糖尿病研究基金」に大きな期待を寄せています。今まで根治できなかった病気が根治できる瞬間、それは想像を絶する喜びに違いありません。しかし、その瞬間を迎えるには数多くの方のご協力とご支援が必要です。ご賛同いただける方は、この研究基金への寄付をお願い致します。是非一緒に最高の瞬間を迎えましょう!

<Profile>
エアロビック競技選手兼指導者 1986年生まれ。小学校2年生の冬に1型糖尿病を発症。 4歳から始めたエアロビックでは、2002、2003年にユースの部(ジュニアの部門)で世界一になる。2006年には一般の部トリオ部門(3人組の部)で、2008年には一般の部男子シングル部門(個人)で全日本制覇。2012年にはトリオ3連覇、男子シングル優勝により2冠を達成し、MVPに送られる文部科学大臣杯も受賞。2015年はトリオ部門日本代表として世界に挑む。教育機関や患者会などへの講演活動を通して、1型糖尿病の啓発に力を入れている。

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